70代夫婦の「リアルな食事」。煮魚はおばあちゃん直伝の味つけ、朝は体によいものをゆっくり食べる
佐賀県有田町でジュエリー制作をしている、彫金家のオオクボスミエさん(70代)。今も現役でショップを営むオオクボさんの、リアルな「朝ごはんと夜ごはん」を紹介します。お気に入りの魚料理や、日曜だけ食べるサラダとベーコンエッグなど、栄養満点でおいしいごはんが満載です。
※ この記事は『75歳、おしゃれの決め手 自分を演出する楽しみ』(KADOKAWA刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集して作成しています

夕ごはんは魚料理が定番
夫が魚好きということもあって、夕ごはんは魚料理が定番です。煮魚、焼き魚、刺身、ムニエル、なんでも。
そのなかで、いちばんよくつくるのは、煮魚です。「上手だ、おいしい」と言ってもらえるのに気をよくして。とくに、アブラガレイが夫のお気に入りです。
おばあちゃんに教えてもらった「煮つけ方」
母が、私の魚料理を食べて、聞いてきたことがありました。「あなた、この味、どこで覚えたの?」。「それは、おばあちゃんだよ、お母さん」。料理をするおばあちゃんのそばに立って、見て覚えたつくり方なのです。手順はこんなふう。
(1) 鍋に水としょうゆ、みりんを入れて、沸騰させて煮きります。
(2) 塩、砂糖をほんの少したし、鍋底がプツプツ泡立つのを待って、魚を入れます。
(3) ここで、千切りショウガを加え、フタを少しずらして数分。煮すぎないように火を止め、フタをしたまま冷まし、食べる直前にひと煮立ちさせます。
●祖母の味つけをマネした
わが家らしさといえば、刺身じょうゆを使うこと。濃いめに色がついて、おいしそうに見えるのです。ちなみに九州のしょうゆは、どれも甘口です。
祖母から伝授されたのは、最初から濃い味つけをしないことです。味を見ながらたしていく。それも、小さじいくら、ではありません。指でひとつまみ、ふたつまみというふうに。こんな味つけ、もう今では通用しないかもしれないけれど、昔の人のその感覚を私もマネて、習慣になりました。
●なんでも使いきる祖母だった
けれども、祖母の料理で、ひとつだけトラウマになっていることがあります。祖母は、なんでも最後まで使いきる人だったので、みそ汁のだしの煮干しも最後まで食べれば、身になると言って捨てなかったのです。ところが、私はある日見てしまいました。愛犬が、その煮干しを食べていたのです。それ以来、煮干しは食べられなくなりました。
でも、祖母の始末のよさに、私は今でも憧れています。あんなふうに、見事に使いきる料理を心がけたいものです。
朝ごはんは毎日ほぼ同じ。日曜だけサラダとベーコンエッグをプラス

年齢とともに、健康を意識するようになりました。もともと、腎臓が弱く、コレステロール値も気にしています。毎日、ヘルスメーターに乗って、体脂肪や内臓脂肪の数値を確認。腸活、脳活も、最近よく耳にするので、積極的に、食事で腸や脳によいとされるものをとるようにしています。
わが家では、インスタントものはほとんど使いません。だし汁は、カツオ節と昆布。油はゴマ油とオリーブ油。そして、薄味という食事です。
朝食のメニューは、毎日ほとんど同じです。パン、チーズ、フルーツ、ヨーグルト、コーヒー。日曜日だけ、サラダとベーコンエッグをプラスするのは、曜日が分からなくなってしまうから。今日は日曜日だよ、くつろぐ日だよという気持ちで、NHKの日曜美術館を見ながら、ゆっくり食べています。
●50年前は納豆がまったく食べられなかった
納豆もよく食べますが、以前はまったく食べられませんでした。東京での学生時代、一時期、学生寮にいたことがあります。朝食に、毎日納豆がついてきました。西日本の方には覚えがあると思いますが、50年前、実家でも納豆を食べる習慣はありませんでした。しかもです。納豆には、長ネギの刻みのトッピングが! 西では、あの苦味のきいた長ネギではなく、緑色の細い小ネギを食べていたのです。二重苦の朝食!
私は耐えがたくて、よく母に電話しては、嘆いたものでしたが、学生寮を出るひとつの口実に、これは使えました。「お母さん、だって、あの納豆が毎日なんだよ」。それがきいたかどうかはさておき、私はめでたく、学生寮を出て、2年目からひとり暮らしを始めることができたのでした。
それが今では、納豆をせっせと食べているのですから、嗜好は変わるものです。
