京都の街並みを走る唯一の路面電車・嵐電(京福電気鉄道)。その新型車両であるモボ1形「KYOTRAM(きょうとらむ)」が、鉄道友の会が主催する「2026年ブルーリボン賞」の最優秀車両に選ばれました!
2025年2月のデビュー以来、伝統の「京紫色」を纏った美しいレトロモダンな外観で瞬く間に京都の新しいアイコンとなった本車両。総合デザインオフィス「GKデザイン総研広島」が車両デザインをプロデュースし、会員投票で最多得票を獲得しての栄冠となりました。
本記事では、1両で運行する単行路面電車として史上初となった受賞の背景をはじめ、人間工学に基づく洗練された車内設備、そして京都旅行で実際に狙って乗るための運賃・運行情報まで詳しくひも解きます。

嵐電の最新車両「KYOTRAM」がブルーリボン賞の栄冠に

「ブルーリボン賞」

鉄道友の会が毎年、日本の鉄道車両の進歩発展に寄与することを目的に選定する「ブルーリボン賞」。2026年の最優秀車両に選ばれたのは、京福電気鉄道が導入したモボ1形「KYOTRAM」でした。

会員投票において最も多くの票を獲得した本車両は、車両デザインにGKデザイン総研広島が参画。「Timeless Design(時代を越えるデザイン)」をコンセプトに、過去から未来へとつながる京都の風景に馴染む車両として2025年2月28日に営業運転を開始しました。2026年3月10日に2両が加わり現在は3両が運行中。2028年度までには、これら3両を含む計7両が導入される予定です。

新型車両の登場にあわせ、路線ブランドの向上を狙って「嵐」と「電」のルーツに立ち返ってデザインされたロゴマーク

鉄道史に刻まれた「史上初の快挙」とは?

今回で69回目を迎える「ブルーリボン賞」ですが、旧国鉄を含むJRグループや大手私鉄以外の事業者が受賞するのは、今回でわずか5例目となります。

また、関西以西に本社を置く中小事業者の受賞は「史上初」となり、車両の前後に運転台があり1両で運行する路面電車の車両による受賞も「史上初」という快挙となりました。

伝統とモダンが交差するこだわりのデザイン

京紫色のレトロモダンな「KYOTRAM」外観デザイン

KYOTRAMの外観は、路面電車らしい伝統的なラウンド型の先頭部と、水平基調の近代的な側面デザインが特徴です。車体カラーは嵐電の伝統色である「京紫色」をベースに、シルバーと白を組み合わせることで、モダンかつ軽快な印象を与えています。

出入口付近から見た「KYOTRAM」車内全景

車内に一歩足を踏み入れると、木目とグレーを基調とした落ち着きのある空間が広がります。ポイントとして配置された京紫色は、車内に華やかさをプラス。

出入口横のガラス一体型LCD案内表示器(写真左)、バケットシートと通路幅を広くするスタンションポール(画像:京福電気鉄道)

さらに、座席には座り心地を熟慮したバケットシートを採用し、多言語案内に対応した薄型のガラス一体型LCD案内表示器を導入するなど、細部に至るまで作り込まれた完成度の高さが選考委員会からも高く評価されました。

【参考】嵐電の新型車両「KYOTRAM」2025年春デビュー 新たなロゴマークも(※2024年12月掲載) https://tetsudo-ch.com/12993762.html

日常の足と観光の足、両者を満たす絶妙なバランス

嵐電は、沿線住民の通勤・通学の足であると同時に、四条大宮から嵐山などへ向かう観光客を運ぶ重要な路線。人間工学に基づき設計された座席やグリップは、毎日の利用者に安心感をもたらしつつ、初めて乗る観光客には「特別感」を抱かせます。
実用性とデザイン性を兼ね備えたGKデザイン総研広島の手腕が光る仕上がりであり、こうした緻密な設計思想が多くの鉄道ファンの心を掴み、最多得票へとつながったといえるでしょう。

KYOTRAMに乗るには? 運行区間と運賃情報

ブルーリボン賞を受賞した「KYOTRAM」は、現在、嵐電の通常ダイヤに組み込まれて運行しています。特別な予約や追加料金は不要で、通常の運賃で乗車可能です。運行区間は嵐電 嵐山本線(四条大宮〜嵐山)と北野線(北野白梅町〜帷子ノ辻)。運賃は大人250円・こども120円で全線均一となっており、後払い制です。降車時にICカードなどで支払いましょう。

「時代を越えるデザイン」を体現し、京都の新たなシンボルとして運行中のKYOTRAM。車窓から眺める古都の景色も、この最新車両からだと少し違って見えるかもしれません。次の京都旅行では、ブルーリボン賞に輝いた極上の乗り心地を、ぜひあなた自身の五感で体感してみてくださいね!

(画像:GKデザイン総研広島)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)