地方公務員は「退職金2000万円超」が当たり前!? 私は“民間企業”で退職金ナシですが、やはり公務員は「老後も安泰」なのですか? 公務員の退職金額と“官民格差のリアル”とは
最新の「老後2000万円問題」クリアに必要な資産額はやや減少?
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]」をみると、「老後2000万円問題」で必要とされる資産額は減少傾向にあると考えられます。まず、令和7年の同調査の、65歳以上の夫婦高齢者無職世帯の収支を見ると、以下のように毎月4万2434円の赤字となります。
実収入25万4395円-(消費支出26万3979円+非消費支出3万2850円)=-4万2434円
次に、老後30年の取り崩し額を計算します。
4万2434円×12ヶ月×30年=1527万6240円
「老後2000万円問題」が提唱された頃と比べると、令和7年時点では、家計調査を基に単純試算した必要資産額は「1500万円程度」まで減少している可能性があります。
地方公務員の定年退職金は47都道府県すべてで「2000万円以上」
総務省「令和7年地方公共団体別給与等の比較 」では、都道府県別の地方公務員(一般行政職)における退職手当支給額がまとめられています。同調査のうち、一般行政職(定年退職者等)の支給額について、上位・下位の各3都道府県を抽出しました。
・静岡県:2334万円
・山形県:2293万9000円
・山梨県:2282万8000円
・長崎県:2069万円
・大分県:2062万1000円
・高知県:2053万1000円
今回の調査では、最下位の高知県でも2000万円を上回っており、仮に「1500万円問題」の水準であれば、手取り換算でも老後資金の多くを退職金でまかなえる可能性があります。
退職金制度を導入している民間企業の割合は7割超
中央労働委員会の「令和7年退職金、年金及び定年制事情調査」によると、資本金5億円以上、かつ企業規模1000人以上の調査対象企業150社で、「退職一時金」「退職年金」もしくは「併用」のいずれかの退職手当制度を採用していることが分かります。
また、厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」において、退職手当(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%で、企業規模により違いが見られます。
・1000人以上:90.1%
・300~999 人:88.8%
・100~299人:84.7%
・30~99人:70.1%
このように、企業規模が大きくなるほど導入率が高い傾向にある一方、中小企業や草創期のベンチャー企業などでは、退職金制度を導入していない場合も考えられます。
そのため、掲題のように退職金制度のない企業では、NISA等の長期投資による資産形成や、iDeCoや企業型DCによる個人年金の拠出といった対策が、公務員より一層重要といえそうです。
まとめ
地方公務員(一般行政職)の退職金は、47都道府県の全てで2000万円を上回っています。老後30年にかかる費用水準が「1500万円」前後であれば、手取り換算でも退職金が老後資金の大きな支えになる可能性があります。一方、民間企業の場合は、退職金制度が整っていない企業も存在します。
また、老後は介護や医療等で、まとまった金額が急遽必要になりやすい時期です。退職金制度が無い場合は、資産形成や個人年金の積み立てがより重要になると考えられます。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要
総務省 地方公務員給与実態調査(補充調査)令和7年地方公務員給与実態調査 令和7年地方公共団体別給与等の比較 (5)退職手当の支給状況 都道府県
厚生労働省 中央労働委員会 令和7年賃金事情等総合調査
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
