葉酸を多く含む主な食品

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 妊娠中に追加摂取が推奨されている葉酸について、不足すると子供が肥満になりやすいとの研究結果を九州大と福岡歯科大などのチームがまとめた。

 母親の血中葉酸濃度が低いほど、肝臓や筋肉に脂肪が蓄積しやすいことがわかり、将来の子供の生活習慣病予防に、妊娠中の栄養管理が重要としている。論文が、国際学術誌に掲載された。

 葉酸はビタミンB群の一種で、脳や脊髄の元となる神経管が正常に形成されないことで起きる「神経管閉鎖障害」の予防に不可欠な栄養素として知られる。厚生労働省は、妊娠前から1日あたり約0・4ミリ・グラムの葉酸の追加摂取を推奨している。ただ、子供の体質などに与える長期的な影響は、解明されていなかった。

 チームは、脂肪の蓄積と、妊娠中の栄養状態との関連性を調べた。マウスの実験では、妊娠中の母親マウスが葉酸不足だった場合、生後100日のマウスは普通の食事でも、肝臓に脂肪を蓄積していることがわかった。

 チームの安河内友世・九大教授(歯学)によると、葉酸不足により、肝臓や筋肉の代謝で重要な役割を担う遺伝子の発現が低下していた。シンガポールで実施した人を対象とした追跡調査では、妊娠26週の血中葉酸濃度が低いほど、6歳時点で肝臓や筋肉に蓄積している脂肪量が多いとの結論を得た。

 安河内教授は「子供の将来のため、血液検査で妊婦の血中葉酸濃度をフォローすることも必要ではないか」と指摘している。