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憲法改正の「緊急事態条項」の創設をめぐり、衆議院法制局が作成した条文のイメージ案が日本テレビの取材で明らかになりました。

日本テレビが入手した条文のイメージ案では、大災害などで国政選挙が長期間実施できない事態を想定し、「国会議員の任期延長」などについて、段階的な対応が示されています。

「緊急事態条項」のイメージ案では、「国会機能の維持」のため、「衆議院議員総選挙の延期及び参議院の緊急集会の射程の明確化」、「選挙困難事態における国会機能の維持」、「オンライン国会」の3点を項目としてあげています。

さらに「国会機能の維持が困難となった場合」として、内閣の権限を強化する「緊急政令・緊急財政処分」が項目として挙げられています。イメージ案は、14日に開かれる衆議院憲法審査会で正式に公表され、今後、権力乱用の歯止め策などをめぐって、与野党が本格的に議論することになっています。

■「緊急事態条項」イメージ案の内容は

日本テレビ政治部の大神櫻子記者と共に、イメージ案のポイントについて確認していきます。

──緊急事態条項というのは、大規模な自然災害や武力攻撃を受けるなど、通常の国の機能が維持できなくなるおそれがある場合に、どう対応していくのかを定めるもので、とても重たい議論ですよね。

はい。私たちが入手したイメージ案には、緊急事態条項の条文について、3枚にわたってイメージが書かれていますが、このなかできょうは、2つのポイントに注目したいと思います。

■参議院の「緊急集会」とは…

1つめは、参議院の「緊急集会」について。2つめは内閣による「緊急政令」です。

まずは1つめの参議院の緊急集会についてです。

──今の憲法では、衆議院が解散している間に、災害などの緊急事態が起きた場合、参議院の緊急集会を開くことができるとされています。

一部の野党からは、解散で衆議院議員がいなくても、この参議院の「緊急集会」で対応できるので、緊急事態条項は必要ないという声もあります。

ただ、今の憲法では緊急集会は、衆議院が「解散されたとき」に開くことができると書いてあり、任期満了して選挙になるケースは記載がありません。

そのため、今回のイメージ案では「解散」だけでなく、任期満了の場合でも、参議院の緊急集会を開くことができると明記されました。

──具体的な状況が盛り込まれる案になっているということですね。

また、緊急集会を開くことができる期間についても、変更がありました。

今の憲法では、解散から次の国会が召集されるまでの最大70日間にしか緊急集会は開けないと限定されているようにも読めるんです。そこで今回のイメージ案には、70日を超えても緊急集会を行えるとしています。

■内閣による「緊急政令」とは…

──続いて「緊急政令」についてですが、これはどういうものでしょうか?

今回書かれた「緊急政令」は、緊急事態が起きたとき、それに対応するための法案の審議や採決をする時間がないとなった場合に、内閣が、法律と同じ効力を持つ「緊急政令」を出せるようにするものです。ただ、政府の権限を強化することになるため、国民の権利が侵害されないのかといった慎重論も根強くあります。

また、内閣が事実上の予算措置などにあたる「緊急財政処分」を行うことも盛り込まれました。ある衆議院の関係者は「緊急政令には慎重意見が多いが、イメージ案に明記することで建設的な議論を促したい」と話していました。

12日に示されたイメージ案をもとに、14日には各党が議論を行う予定で、今後議論が活発化するとみられます。