戸田恵梨香だけじゃない! 「地獄に堕ちるわよ」のウラに実力派の脇役…御曹司役を怪演した注目のバイプレイヤーに、島倉千代子役の“2代目なっちゃん”まで
ドラマランキングで首位独走
かつてテレビ界の寵児としてもてはやされた人気占い師・細木数子氏の激動の半生を実録ドラマ化した、Netflixのオリジナルシリーズ「地獄に堕ちるわよ」が4月27日から世界独占配信されている。細木氏の10代から、テレビで活躍した60代半ばまでを演じたのは俳優の戸田恵梨香(37)。
【写真を見る】「地獄に堕ちるわよ」ヒットを支える見事な演技力を見せた俳優たち
日本国内のドラマ・アニメの視聴ランキングである「今日のシリーズTOP10」では、配信翌日の4月28日からGWに入った5月6日まで、連日首位を獲得している。
「10代の視聴者には知らない人もいると思いますが、テレビで活躍していたころの細木さんといえば、なんといっても貫禄のある体形。当初ネット上では、晩年の細木さんは別の女性俳優に譲った方が、との声もあがっていました。確かに、細身の戸田さんに演じきれるのか、イメージビジュアルや予告編を見た時点では思いました。しかし本編を見ると、企みごとをした時の目や声のトーンなど、戸田さんが見事な演技力を発揮しています。おまけに、細木さんの親族が驚くほどのしぐさも再現しています」(映画業界関係者)
5月2日更新の「朝日新聞」WEB版に戸田のインタビュー記事が掲載されている。

戸田は、《体重を上げるっていうことが難しくて。(細木さんの)あの骨格に近づける自信がなかった》として一度は断ったというが、脚本を読み、《自分が思う『数子』を役に投影したいというふうに思いました》という。
また、劇中で口元をいじるしぐさがあるが、《(細木氏の)過去の映像を見ていたら、人の話を聞いてる時とか、ちょっとした時にあのしぐさをやってらっしゃったんです》と、細木さんのクセを見抜いていたという。恐るべき洞察力だが、半年の撮影期間で細木さんの人生を体感したことを明かし、《細木さんには褒めてもらえるんじゃないかって思ってます》と胸中を語った。
戸田のインタビュー掲載前の4月30日、細木氏の養女である占術家・細木かおり氏が自身のXを更新し、同作について言及。長年、細木氏を間近で見ていたが、《テレビでは映っていなかったような『ふとしたしぐさ』まで再現されていて、むしろ『なんでその癖知ってるの?』って驚いた場面も》と絶賛した。
ヒットを支える脚本と俳優陣
「戸田さんの心を動かす脚本を書いたのは『真中もなか』とクレジットされていますが、ネットで検索しても過去作品は出てきません。一方、監督の瀧本智行氏はもともと細木さんのことを『嫌いだった』と、多くのメディアや公の場で公言しています。ドラマでは細木さんが六占星術を身に着け、テレビ界のスターに駆け上がった光の部分。それに対して若いころから水商売に身を置き、反社会的勢力との密接交際、島倉千代子さんに取り入って利権を搾取するなどの影の部分、こうした“光と影”を絶妙なバランスで描いています。ネット上では、脚本家の正体、ストーリーのどこまでが事実でどこまでがフィクションなのか、という考察でも大いに盛り上がっています」(同)
戸田の脇を固める俳優陣も、演技派ぞろいだ。
ストーリーテラーのような役割も担う、細木氏の過去を追う作家・魚澄美乃里を伊藤沙莉(32)、細木氏が生涯愛した江戸川一家総長・堀田雅也役には生田斗真(41)。細木氏のバックとなる滝口組組長・滝口宗次郎役を杉本哲太(60)。細木に絶大な影響を与える思想家・安永正隆役を石橋蓮司(84)、その安永の娘・加藤十和子役を市川実和子(50)、細木氏が結婚した御曹司の母役を余貴美子(69)、そして細木氏の母役を富田靖子(57)らが演じている。
「石橋さんが演じた安永のモデルは、吉田茂元首相ら大物政治家と親交があったことでも知られる安岡正篤氏なのは明白です。細木さんが取り入り、安岡氏が亡くなる寸前に婚姻。遺族がそれを無効として調停を申し立て、遺族の主張が認められました」(同前)
さらに、数奇な細木氏の人生に絡む脇役も見逃せない。特に迫真の演技を見せていたのが(劇中への登場順に)、細木さんの最初の結婚相手・三田麻呂彦役を演じた田村健太郎(39)、滝口と組んで細木さんをどん底にたたき落とす、不動産会社社長・須藤豊を演じた中島歩(37)。そして、昭和を代表する歌手・島倉千代子さんを演じた三浦透子(29)の3人だ。
脇役も見逃せない
三田は当時、銀座のクラブを切り盛りしていた細木氏を見初めて通い詰め、猛烈にプロポーズ。地方の名家の跡取りと知った細木氏は、財産目当てに結婚。しかし、子宝を期待されるだけの結婚生活に嫌気が差し、短期間で家を出て離婚。クラブ経営に戻る。
「三田の行動はほぼストーカーでしたが、店にいるときは凛々しいボンボンという感じでした。ところが、結婚後、女性経験がなかったこともあって行為の良さを知ると、取りつかれたかのように励みます。演じた田村さんは首都大学東京(旧都立大)を卒業後、07年に演劇で俳優デビュー。以後、かなりの舞台経験をこなしながら、23年のNHK大河ドラマ『どうする家康』、今年1月期のテレビ朝日系ドラマ『50分間の恋人』など、ネトフリ作品では『新幹線大爆破』(25年)に出演。今後、映像作品のオファーがさらに増えそうです」(芸能記者)
中島は、明治時代の小説家・国木田独歩の玄孫として知られている。日大芸術学部を卒業後、抜群のルックスと184センチの長身を生かしてモデル活動をしていたが、美輪明宏(90)演出・主演の舞台『黒蜥蜴』のオーディションで約200人の中から雨宮潤一役に選ばれ、13年4月、同舞台で俳優デビュー。
以後、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」(14年)、「あんぱん」(25年)、TBS系「不適切にもほどがある!」(24年)などに出演。放送中のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」では浅井長政役を演じ、5月3日の放送で壮絶な最期を遂げ話題になった。
「演じた須藤は、細木さんに色恋を仕掛けて骨抜きにしてしまう役ですが、中島さんはもともとジゴロのような役をやらせたら右に出る者はいないほど。典型的な詐欺師、それも結婚詐欺師や地面師の役などのオファーも増えそう。イケメンながら悪役がよく似合うのは珍しい」(同前)
そして、三浦が演じた島倉さん。劇中では、悪い男にだまされ巨額の借金を背負い、世をはかなんで川に飛び込もうとしていたところ、偶然出会った細木氏に命を救われることに。同居生活を送り、公私ともに良きパートナーとなるも、後にかなりの金額を細木氏から搾取されていることを知り、袂を分かつことになる。
「ドラマを観た人からは、しぐさや表情が島倉さんにそっくりだった、という声もよく聞きます。劇中の島倉さんの代表曲『人生いろいろ』は、三浦さんが吹き替えなしで歌唱したといいますが、歌唱力も抜群でした。さらに、戸田さんは激しい男女の情交シーンはありませんでしたが、三浦さんは生田さん演じる堀田との絡みに体当たりで挑んでいました」(同前)
もともと三浦は2002年、6歳の時に3000人のオーディションを勝ち抜き、2代目なっちゃんとしてサントリー「なっちゃん」のCMに出演し話題に。その後、子役として活躍し、15年放送の第一三共ヘルスケア「ミノン全身シャンプー」テレビCMソングである「おかあさんへ」で歌手デビュー。以後、アニメ映画「天気の子」(19年)の主題歌を歌うなど、歌手としても活動した。俳優としては、ブレーク前に出演した映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」(18年)で衣装なしの姿を披露。村上春樹氏の同名短編小説を映画化し、「第94回アカデミー賞」にて国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」で国内の各映画賞を受賞しブレーク。映像作品への出演のみならず、舞台公演も精力的にこなしている。
「観る人に強い印象を残しているということは、演技力は確実です。話題作で存在感をアピールした実力俳優なら、テレビ各局も自社のドラマに起用したいと思うはず。しかし、ネトフリとは製作費とギャラが違い過ぎます。映画やネトフリ作品には出るけれど、テレビドラマには出演しない俳優が徐々に増え始めるのではないか、そんな冗談とも思えない話も現場からは聞こえてきます」(放送担当記者)
デイリー新潮編集部
