梅澤美波(撮影:池村隆司)

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 乃木坂46のキャプテンとしてグループを牽引してきた梅澤美波が、5月の東京ドーム公演をもっての卒業を目前に控え、MBS/TBSドラマイズム枠『失恋カルタ』でトリプル主演の一人を務めている。本作で演じる“バリキャリOL”夏野千波を通じて見つけた新しい表現、そして「自分自身が主人公になる」という卒業後の未来について、等身大の言葉で語ってくれた。

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ーー西垣匠さん、加藤小夏さんという同世代の皆さんとのトリプル主演が決まったとき、率直にどのような心境でしたか?

梅澤美波(以下、梅澤):台本を読んだとき、3人の恋愛ストーリーはもちろんですが、それ以上に彼女たちの“リアルな会話劇”がこの作品の鍵になると感じました。西垣匠さん、加藤小夏さんとは同じ1999年生まれということもあって、撮影初日から本当に打ち解けるのが早かったんです。昔から一緒にいたんじゃないかと思うくらいの安心感があって、「いいシーンを撮ることができるな」という手応えを初日に感じられたのは大きかったです。

ーードラマの公式SNSなどでアップされている写真や動画からも仲睦まじい様子が伝わってきますが、何がきっかけでそこまで距離が縮まったのでしょうか?

梅澤:加藤小夏さんがすごく明るくポップな方で、どんどん話しかけてくれたんです。その雰囲気にみんなで乗ることができたのが良かったですね。お二人がこれまで俳優として積み重ねてきた作品も拝見していましたし、同世代の俳優さんたちとお話しできるのも、グループのみんなと一緒に活動することが軸だった自分にとってはとても新鮮で。お二人がプロとしてまっすぐに現場に立つ姿に、外の世界ならではの刺激をたくさんいただきました。このタイミングでお二人と一緒にトリプル主演としてドラマに出演できたことは、自分の中でとても大きかったです。

ーー梅澤さんが演じられている夏野千波は“恋多きバリキャリOL”という役どころですが、演じる上で意識したがあれば教えてください。

梅澤:千波は、いろいろな出会いを経て成長していく女の子です。一つひとつの恋に一生懸命で、とにかく純粋に、まっすぐ向き合っている。その姿が愛おしく見えるように、一歩一歩真面目に役に挑もうと決めていました。

ーーちなみに、梅澤さん自身と千波というキャラクターでリンクする部分はありますか?

梅澤:性格の根底はすごく似ている気がします。千波は自分の中に負けない芯を持ちつつも、出会う人によって影響されやすいところがあるんです。新しい価値観に触れて、自分が変わっていくのがわかりやすい。私自身も、すぐに顔に出てしまうタイプですし、人からの影響を素直に受けるところがすごく似ているなと思いました。

ーー第1話では、乃木坂46のメンバーである弓木奈於さんのゲスト出演もありました。

梅澤:サプライズでファンの方も驚かれたと思いますが、私自身もビックリでした(笑)。弓木とはグループの中では先輩後輩という関係性でありつつも、年齢的には同い年で、ドラマの中で友人関係を演じることができてすごく楽しかったです。弓木はグループで活動しているときはかなりポップで、バラエティに強い印象があると思うんですが、今回お芝居を一緒にやって、俳優さんとしてすごく素敵だなと改めて感じました。結婚式のシーンで花嫁姿ということもあって、「やっぱり綺麗だな」と見惚れてしまう瞬間もあったりして(笑)。

ーー現場ではお二人でどのようなやりとりを?

梅澤:喋りかけたら緊張していましたね。私と西垣さんと加藤さんのある程度出来上がった関係性の中に入ってくる立場でもあったと思うので、私たちの様子を伺ってた気がします(笑)。そういう気遣いができる子で。空き時間のときに「2人で真面目なシーンを撮るの、めちゃくちゃ照れくさいです」という話もしましたね。とても貴重で楽しい撮影になりました。

ーーそして5月21日に東京ドームで開催される『14th YEAR BIRTHDAY LIVE』をもってグループを卒業される梅澤さんにとって、本作は乃木坂46として最後のドラマ出演になりますね。

梅澤:そうですね。なので、すごく特別に感じています。年齢的にも千波とドンピシャですし、「もし別の人生を生きていたらこうなっていたのかな」とリアリティを持って感じられる作品に出会えたのは運命的でした。「このドラマとともにグループを走り抜けていくんだ」と、とても思い入れのある作品になりました。

ーー以前インタビューさせていただいたのは映画『映像研には手を出すな!』(2020年)のタイミングでした。あれから6年、お芝居への意欲はどのように変化しましたか?

梅澤:意欲はめちゃくちゃあります! 作品をやるたびに、毎回とても悩みますが、それも含めて楽しいです。その役を生きていく感覚とか、自分の中になかったものを得られる瞬間が毎回ちゃんとあるので。ドラマや映画のほかに舞台もやらせていただいてきましたが、お芝居って一括りにできないなと実感しました。

ーー見せ方も全然違ってきますもんね。

梅澤:今回、監督に「無理に何かしようとしなくても、意外と伝わるよ」と言っていただいたことがすごく印象に残っていて。私はわかりやすいお芝居をしてしまいがちだったんですが、目線ひとつで伝わるものがあるなと、この作品を通して改めて気づくことができました。まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。

ーーグループ卒業後ももちろんお芝居は続けていくんですよね?

梅澤:そうですね、続けていきたいです。お芝居もモデルもバラエティも、なんでもやりたいです。これまではグループに力を注ぐあまり、自分が何をしたいかという声を抑えてきた部分がありました。卒業後は、自分が何を求め、何にワクワクするのかを知っていく、“自分を知る作業”の期間にしたいと思っています。今まではグループがメインでしたが、これからは自分が主人公になっていく。今はそれがとても楽しみです。

ーー最後に、現役メンバーへ残したいメッセージがあれば教えてください。

梅澤:今いる子たちを、とにかく認めてあげたいです。みんな「グループのために何ができるか」と必死に考えてくれていますが、プレッシャーを感じすぎず、もっと自分たちに自信を持っていいんだよと伝えたい。私が卒業を決められたのも、彼女たちの頑張りを見たからこそ。残りの期間は、みんなをたくさん褒めてあげたいなと思っています。

(取材・文=宮川翔)