ネットカジノ 蔓延が続けば遮断も選択肢だ
違法なオンラインカジノは、利用者をギャンブル依存症にさせるなどの社会問題を引き起こしている。
あらゆる手を尽くして、社会への蔓延(まんえん)を食い止めねばならない。
オンラインカジノの利用防止策を検討してきた総務省の有識者会議が、カジノサイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」の実施も排除しないとする報告書案を、大筋で了承した。
オンラインカジノは、サイト上でルーレットやスロットマシンのほか、スポーツの勝敗などで賭けをすることができる。海外拠点の業者が地元政府の許可を得て運営しているケースが多い。
日本国内から接続して賭ければ、刑法の賭博罪に問われる。
しかし、スマートフォンで、いつでも利用できるため、依存性が高く、最近では数百万円をカジノに投じたとして、中学生も摘発されている。若者は、行動をコントロールする脳の機能が未発達で、リスクが高いとされている。
こうした状況を受け、報告書案はブロッキングが若年層の利用防止に有効性があると認めた。
ブロッキングは、通信内容を他人に知られない憲法上の「通信の秘密」に抵触する。そのため、現在は児童ポルノに限って、例外的に認められている。
実施する場合には、警察の摘発やネット広告の削除など他の対策が十分な効果を上げているかを検証する必要があるとしている。
それでも報告書案がカジノ対策としてブロッキングの有用性を認めたのは評価できる。海外ではすでに取り入れている国もある。
サイトへの接続を遮断することは、依存症になる人を減らす効果に加え、青少年やスポーツの健全性を守ることにもつながろう。
全国の警察が2025年に摘発した国内の利用者や、賭け金の決済代行業者らは317人に上り、過去最多だった。違法性の周知が進み、警察への自主申告や情報提供が増えたことが背景にある。
オンラインカジノへ誘導するネット上の広告や投稿の削除も進んできた。オンラインカジノを宣伝して報酬を得る「アフィリエイター」の摘発を強化することなども含めて、若者らを違法カジノに近づかせない対策が不可欠だ。
ブロッキングはあくまで「最後の手段」であり、実施に踏み切る前に、他の方法を尽くす必要があることはもちろんだ。ただ、蔓延が深刻な状況で、社会への悪影響が看過できない時には、適用をためらうべきではない。
