低空経済が台頭、技術革新と経済成長をけん引 中国山東省

【新華社済南4月24日】中国ではここ数年、ドローンの革新的な活用から飛行訓練、飛行体験の普及に至るまで、低空経済(低高度の有人・無人機を活用した経済活動)が農業や物流、文化・観光など、さまざまな産業に浸透しつつある。関連の研究によると、中国の低空経済の市場規模は2035年に3兆5千億元(1元=約23円)を上回り、経済成長をけん引する新たなエンジンになると予測されている。
山東省日照市五蓮県にあるテック企業でスマート無人機の開発を手がける阿羅斯信息科技(山東)の生産現場を訪れると、さまざまな作業シーンに対応したドローン機器が次々に生産ラインから出荷されていた。
同社は、地元が昨年誘致した低空経済の重点プロジェクトで、スマート無人機や関連機器の研究開発に注力しており、同社製品は水利・水文や道路交通、緊急救助などの分野で活用されている。ここ数年のドローン産業の急速な発展に伴い、関連製品の技術は更新や改良が続いている。新たな市場を獲得するため、同社は「機器+(プラス)プラットフォーム+アルゴリズム」を一体化する方向に狙いを定め、低空経済エコシステムの融合とイノベーションを推進している。
同省淄博(しはく)市にある山東利航衛星通信の展示ホールには、さまざまな衛星通信用地上端末がずらりと並べられていた。同社は衛星通信端末の研究開発を専門に手がけ、低空飛行機器と地上側との通信問題の解決に注力している。
同社の王勇(おう・ゆう)董事長によると、同社が開発した衛星通信機器は、複雑な環境下でも低空飛行機と地上側との安定した接続を確保でき、特にドローンの活用においては、動画やファイルなどの重要データをタイムリーに送信することで、飛行作業の効率を大幅に向上できるという。

飛行訓練の面では、低空経済が台頭したことで、より多くの人々が飛行の夢をかなえられるようになった。同省日照市嵐山区にある飛行クラブには、多くの飛行愛好家が訪れている。
韓宝照(かん・ほうしょう)飛行教官は「低空経済は飛行体験や操縦免許取得訓練のハードルを下げ、より多くの人が受講できるようにした」と語った。
ドローンによる正確な配送や遊覧体験、農地の作物保護など、低空経済は人々の生産や暮らしに浸透しつつあり、さまざまな応用シーンを生み出している。同市にある一般航空(ゼネラルアビエーション)会社、日照九天航空飛行クラブの温純(おん・じゅん)副総経理は、「低空経済は飛行訓練だけでなく、物流配送や農業・林業植物保護などのドローンの活用にも及ぶ。将来的には『空飛ぶ無人タクシー』といった新たな低空経済の形態も発展していくだろう」と語った。(記者/王歓、朱暁光)
