物価高で加速?食べログ的な友達選びがもたらす不都合な真実…白鳥久美子「友達関係なんて大体コスパ悪い」

物価高や生活費の高騰により、コスパで友人関係を精査する「フレンドフレーション(フレフレ)」が波紋を広げている。しかし、友人関係をコスパで判断することにはリスクもあるようだ。
ニュース番組『わたしとニュース』では、コスパでの人付き合いについて識者の見解を交えながら、お笑いコンビ・たんぽぽの白鳥久美子とともに考えた。
■食べログのように友人を選ぶ?「コスパ人間関係」のしんどさ

人間関係論が専門の社会学者・石田光規氏は、コスパでの人付き合いについて、そのしんどい側面を指摘する。
「コスパは本当に商品的なつながりだ。自由市場の中でそれぞれに値段がついていて、それこそ一番値段の安いものを選ぶようになってしまう。『ちょっと時間ができた。誰かと会いたい』と思った時に、スマホの中から検索して誰かと会う。そういう時には無意識のうちに自分にとって“会いたくて会ってくれそうな人”を順番に選んでいってしまう。私たちは実に市場的に、それこそ『食べログ』で一番点の高いところを選ぶのと似たようなことをやってしまう」
まるで食べログで手頃で評価の高い飲食店を予約するかのように、コスパのいい人を自分のつながりから選ぶ。そのように人付き合いをすると、その本人も常にコスパで選ばれる立場になってしまうということだ。
「人間関係、人付き合いというのは必ず相手がいるものなので、そうすると相手もコスパで自分のことを見ているということにつながってくる。仮に相手から見て私の方がコスパが悪かったとしたら、相手からもう二度と声がかからない可能性がある。一度会って『あの人、なんかつまらなかったな』『コスパ悪いからもう次から会わないようにしよう』という形で、自分にも跳ね返ってきてしまう。だから、相手から選んでもらえるように常に魅力を持って、相手に選んでもらえるような『いい人』でなければ人間関係の維持が難しくなってしまうが、そういうのは結構辛かったりする。よほど自分に自信があって、自分のパフォーマンスは最高だと思える人はいいのかもしれないが、そうじゃない人にとっては結構厳しい世界だ」
■目先のコスパで判断することの「損失」
石田氏は、そもそも人間関係におけるコスパの良さの意味や、その時々の付き合いだけで判断することに疑問を呈している。
「コスパを考えた時に、果たして何がコストで何がパフォーマンスなのかは、実は難しかったりする。『最初の頃は嫌々会っていたが仲良くなった』だとか、なんとなく気が合わない人が実は最終的にはものすごい大きな結びつきがあって、成長を促すような機会になったっていうことはあり得るわけだが、それを目先のコスパ、つまり『その時楽しかった』だとか『その時良かった』っていうのだけで済ませてしまうと、長期的に人と付き合っていて何かがあるかもしれない、ということを全部見落としてしまうので、結局は大きな損失につながってしまう」
「重要なのは目先のコスパではなくて、本当に最初のコスパの感覚はもしかしたら当てずっぽうなのかもしれないと思った上で人と付き合っていった方が、むしろ可能性はより広がっていくと思う」
この見解を聞いた白鳥は「怖いですね。確かに『白鳥と会ったらコスパ悪いからやめよう』って嫌ですよね。そもそもコスパって何だろう、と考えたら、友達関係なんて大体コスパ悪いのでは。友達と3年間ずっと同じ話しているけど、それってコスパ悪いのか、でもそれが楽しかったりね」とコメント。
続けて「石田氏が言っていたように、最初はすごく気が合わない子がいたんですよ。今は、ほぼ毎日のようにLINEしていて、よく飲みに行ったりもする一番の仲良しになって。だから、最初だけでコスパが悪いからといって切ってしまうもったいなさとかが生まれるんだろうなとも思う」と語った。
さらに、「無駄でいいんじゃないのかなって思う。友達関係はコスパが悪くてなんぼ、と思っていた方が面白いことが生まれそうな気がする。ただ、お金がない時は『お金ない』って言った方がいいよね。そうすると、『あ、そうなんだ』と合わせてくれたりするし」と自身の考えを述べた。
■お金をかけない“素直な”友達付き合いとは
物価高の影響などで経済的に難しい場合は、公園で集まるだけでも良いのではとする白鳥。「その空間でモヤモヤをはらせたなとか、そういうのが楽しかったりするから。『あの人にお金を使った割に楽しくなかった』みたいなことでしょ、コスパが悪いって。そのくらいだったらお金を使わないでね、『(カフェなどではなく)水道水だったからこのくらいの話でしょう』みたいな納得できるところを見つけていくのもアリなのでは」。
また、誕生日のプレゼント交換などで、今年自分はあげたのに相手の時にはタイミングが悪くもらえなかったといったケースも起こり得る。逆に、自分ばかりもらっていてお返しができていないと心配になることもあるだろう。
「私はもう40歳にもなるんですけど、仲良しなのがおばさん4人組なんですよ。もうみんなで1万円って決めて。それだとみんなも経済的困らないし。ただ、だんだん物欲がなくなってきて、みんなそれをプール金で貯め始めたりとかして(笑)だからもう『なくてもいいよ』くらいの感じでもいいですよね。もう最初に決めちゃうかね。『誕生日プレゼントはやめにしましょう』って勇気を持って言ってみるのもありかも。みんなで『500円のお菓子を買って楽しみましょう』の会でも、友達だったらそういう空間でも楽しそうですけどね」
さらに、白鳥はSNSによる影響を受けすぎることにも懸念を示した。
「でも、キラキラしたことやらないといけないっていうね。SNSも発達しているから、そういう風に思っちゃうのかもしれないけど、もういいんですよ、そんなものは憧れなくても。素直な気持ちで付き合って、それが言いにくかったりするのかもしれないけど、素直な気持ちで付き合える友達をまず見つけるところかもしれない」
(『わたしとニュース』より)
