【災害クライシス】東北大など共同研究チームが緊急発表…東日本で切迫!「巨大地震と甚大な想定被害」
M9級の揺れが予想される地域
北海道沖で、未曽有(みぞう)の大震災が起きようとしている――。
東北大、北海道大、海洋研究開発機構の共同研究チームが、北海道太平洋沖の千島海溝でマグニチュード(以下、M)9級(東日本大震災と同レベル)の超巨大地震の発生が切迫している可能性があると発表したのは今年2月だ。同研究チームのスタッフで、東北大学災害科学国際研究所の富田史章助教が話す。
「千島海溝南西部では、過去の津波堆積(たいせき)物から400年ほどの周期で巨大地震が繰り返し起きていると考えられています。前回の地震の正確な年はわかっていませんが、17世紀の1611〜1637年ごろにM8.8程度の地震が発生し、高さ20mに及ぶ津波が北海道太平洋沿岸に押し寄せたとされるんです。
しかし、これまで千島海溝沿いの沖合の海底に地殻変動観測網はなく、直接的なデータは得られていませんでした」
同研究チームは、北海道太平洋沖の海底3ヵ所に観測点を設置した。’19年から5年間にわたり、音波データなどから地殻変動を初めて直接的に測定。すると、戦慄(せんりつ)の事実が判明したのだ。
「千島海溝に近い太平洋プレートと北米プレート上の2ヵ所で、地殻が西北西に年間約8cm動いているのを確認しました。前回17世紀の地震から″ひずみ″が溜(た)まり続けているとしたら、その総量は400年ほどで20.5〜30mに達します。
17世紀の地震は、プレート境界が25mほどズレ動いて発生したとされる。すでに巨大地震を引き起こすとてつもないエネルギーが、千島海溝に溜まっている危険があるんです」(富田氏)
数十万人の死傷者が出るという予想も
内閣府は’21年12月に、千島海溝で巨大地震が発生した場合の想定被害を公表している。積雪で避難が難しい冬の深夜だと、死者は最大で10万人。建物の被害は8万4000棟にのぼるという。地球科学が専門で、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏が解説する。
「千島海溝でM9級の巨大地震が起きると、震度7の強い揺れと最大で30m近い巨大津波が北海道や東北地方の太平洋沿岸を襲います。巨大地震の危機が迫っているのは、千島海溝だけではありません。
同じく太平洋プレートが北米プレートに沈み込む境界にある、東北太平洋沖の日本海溝でも、いつ大地震が起きてもおかしくない。巨大津波が北海道から関東地方の広範囲に襲来し、内閣府によると死者は最大で19万9000人、全壊や焼失する建物は22万棟に及ぶんです」
経済的被害も甚大(じんだい)だ。
「千島海溝地震で約17兆円、日本海溝地震で31兆円ほどの被害が出ると想定されます。大部分が、巨大津波による太平洋沿岸部の建物や港湾の被害です。道路、鉄道などのインフラが寸断され、電気、水道、ガスというライフラインがストップ。スマートフォンやパソコンも長期にわたり通信が途絶えます。
人的にも経済的にも被害は東日本大震災をはるかに上回り、北海道や東北地方は壊滅的な打撃を受けるでしょう」(鎌田氏)
『FRIDAY』2026年4月17・24日合併号より
