【白タク最前線】「木を隠すなら森の中」あの渋谷の“人気スポット”に白タクが群れる納得の理由
渋谷に白タクが集結している!?
成田や羽田といった東京の玄関口から、タワーマンションが建ち並ぶ湾岸エリア等、いたるところに出没して世間を騒がせている白タク問題。白タクドライバーたちは、儲かるが故に違法行為に手を染めており、都内では摘発と新規営業のいたちごっことなっている。
なかでも最近、白タク業者が大量にいるといわれているのは渋谷区だという。言わずと知れた日本有数の繁華街としてインバウンドで賑わい、観光客のマナー違反など、たびたび問題が発生している場所だ。白タクはなぜ渋谷に集まるのか。現地に行って取材した。
白タクが多く集まっているのは、渋谷109からMEGAドン・キホーテ渋谷本店までの文化村通りだ。夜になると道路脇には、路駐されている怪しげなバンが並ぶ。このエリアは、走り屋が乗るような改造車両や、高級車両なども路駐しているため、白タクが客待ちをしても悪目立ちはしない。
付近に停車していた作業用とみられるバンの運転手に声をかけると、「このあたりにはよく白タクが停車している」と話す。
「自分は内装関係の仕事をしていて、このあたりにはよく来ます。清掃業者や電気工事といった設備系の人もこの周辺に駐車していて、夜になるとこういった業者と白タク、あとは改造車などを見せびらかしに来ている人が多い印象です。
建設や設備の車はハイエースのようなバンが多いから、白タクが停めてもバレにくいんじゃないですか。アルファードみたいな高級志向の白タクはあまり見ませんが、7人ほどが乗れるミニバンに観光客を乗せているところにはよく遭遇します」
この男性によれば、白タクはMEGAドンキ前あたりに多く集まり、出てきた客を乗せているという。実際にMEGAドンキの前では、外国人観光客を乗せている車に遭遇した。
「安全に客待ちできる」
なぜ白タクは文化村通りに集まっているのか。白タクと思われる車の運転手に取材を試みると、思いのほかフレンドリーに話をしてくれる中国人だった。やはり、路駐をしても誰も気にしないこと、お客がいることからこの周辺で商売をしているとのことだ。
「たくさんの車が路駐していますし、普通のタクシーも停まっています。自分の車が怪しまれることもなく、比較的安全に客待ちができるんです。それに渋谷は白タクに乗りたい人が多いので、客には困りません。お客さんが言うには、日本語しか通じない普通のタクシーよりも、比較的外国語が通じるので乗りやすいみたいです。
また、日本の電車は駅が混んでいるうえに路線が複雑で、乗り馴れてないと本来行きたいところとは別の場所に行ってしまいます。それなら最初から白タクで移動するといった人が多いですね」(白タク運転手)
彼が乗せたことのあるお客の話では「日本のタクシーは外国語が通じない」「寄り道をされてぼったくられた」といったこともあるようで、あえて白タクに乗るといった客もいるそうだ。
また、この運転手が言うには渋谷区周辺で白タクに乗る人にはある共通点があるという。
「外国人は必ずといっていいほど、観光や買い物の最後にMEGAドン・キホーテに行って、日本でしか手に入らないお菓子や日用品を買います。それくらい日本のドンキは外国人にとって、観光もできる買い物スポットとして大変人気なのです。また、呼び出しをされるのもドンキの前が多いです。渋谷ドンキの看板がわかりやすいため、待ち合わせしやすいといった理由もあるのでしょう」
渋谷で白タクに乗った乗客は各々が拠点としているホテルや民泊などに帰って行くという。帰国直前にドンキに立ち寄る人も多いようで、渋谷から空港、新幹線が停車する東京駅まで乗っていく人も多いそうだ。中には、渋谷から横浜駅まで白タクを利用する人もいるとのことだった。
白タクは国土交通省から許可を受けずに営業しているため、管理体制は杜撰だ。運転手がしっかりとした教育を受けていない、自家用車用の保険のままとなっている等、万が一交通事故が発生しても、治療費や慰謝料が支払われないこともある。乗るだけで危険と言っても過言ではない。
木を隠すなら森の中。車を隠すなら路駐の多い道。白タクは渋谷でも大繁盛のようで、多くのインバウンド客が利用している。報道によって風当たりが強くなっても、運転手たちはどこ吹く風といった様子で違法営業にいそしんでいるのだ。
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取材・文・写真:白紙緑
