用途に応じて姿を変える新しい形を提示!

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最大16通りのバリエーションが生む多用途性

 日本市場においてミニバンは、ファミリー層を中心に長年高い人気を維持してきたカテゴリです。

 広い室内空間や多人数乗車、使い勝手の良さといった特徴が評価され、日常生活からレジャーまで幅広い用途に対応できる存在として定着しています。

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 そうしたなかで、従来のミニバンの概念を踏まえつつ、新しい発想を取り入れたモデルとして注目されているのが起亜の「PV5」です。

 2025年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2025」では、多くの次世代車両が披露されましたが、PV5はその中でもひときわ印象的な存在でした。

 来場者の関心を引いた理由は、単なる電動化ではなく、「用途に応じて変化するクルマ」という新しい価値提案にあります。

 このモデルは2025年に韓国および欧州市場で販売が始まったワンボックスタイプのBEVで、起亜が独自に開発したEV専用プラットフォームと「フレキシブルボディシステム」を採用しています。

 この仕組みによって、基本となる車体に対して異なるボディモジュールを組み合わせることが可能となり、一台の車両で複数の役割を担える設計が実現されています。

 例えば、荷物の運搬を重視するユーザーにはラゲッジスペースを広げたカーゴ仕様が用意される一方で、アウトドアを楽しむ層には居住性を高めたキャンプ仕様が選べるようになっています。

 このような仕様の違いは最大で16通りにも及び、それぞれのライフスタイルに合わせて最適な形にカスタマイズできる点が魅力です。

 ボディサイズは全長4695mm×全幅1895mm×全高1900mm、ホイールベースは2995mmとなっており、日本で人気のあるトヨタ「ノア/ヴォクシー」に近いサイズ感となっています。

 ただし、全幅はやや広めで、ノア/ヴォクシーよりもワイドです。この違いは、日本の狭い道路や駐車場環境において実際の使い勝手に影響する可能性があり、導入後の評価において重要なポイントになると考えられます。

 外観デザインも従来の量産車とは大きく異なります。フロント部分では、Aピラーと一体化したように見える細長いヘッドライトが特徴で、先進的かつ未来的な印象を強く与えます。

 また、大きく設計されたサイドガラスによって視界の広さと開放感が強調されており、見た目のユニークさだけでなく実用性にも寄与しています。

 さらに、側面には大開口のスライドドアが採用されており、乗り降りのしやすさや荷物の積み下ろしの効率を高めています。

 リア部分についても用途に応じた工夫が施されており、商用モデルでは観音開き、乗用モデルでは跳ね上げ式のテールゲートが採用されるなど、使い勝手の違いが明確に設計されています。

 車内は全体的にシンプルで機能性を重視したデザインとなっており、過度な装飾を避けることで誰でも直感的に操作できるレイアウトが実現されています。

 視界の確保にも配慮されているため、ドライバーは安心して運転に集中できる環境が整っています。

 乗用モデルでは6:4分割式のリアシートが採用されており、用途に応じて柔軟にアレンジすることが可能です。

 シートを倒せば広い荷室を確保でき、日常の買い物からレジャーまで幅広いシーンに対応します。商用モデルほどの積載量ではないものの、実用車として十分な性能を備えています。

 パワートレインに関しては、43.3kWh、51.5kWh、71.2kWhの3種類のバッテリーが設定されており、いずれも最大トルク250Nmを発揮します。

 電動車ならではのスムーズで力強い加速を実現しながら、航続距離も実用的な水準に達しています。

 特に71.2kWhモデルでは、商用タイプで528km、乗用モデルで521kmという長距離走行が可能であり、日常使いから長距離移動まで幅広く対応できる点が強みです。

 日本市場への導入は2026年春が予定されており、「PV5カーゴ」と「PV5パッセンジャー」の2タイプが展開される見込みです。

 右ハンドル仕様の採用に加え、ウインカーレバーの配置も日本向けに調整されるなど、細部にわたってローカライズが進められています。

 価格(消費税込み)はPV5カーゴが589万円から、PV5パッセンジャーが679万円からと発表されています。

 この価格帯が日本のユーザーにどのように受け入れられるかは今後の焦点となりますが、新しい使い方を提案する一台として、その動向に注目が集まることは間違いないでしょう。