RKC高知放送

写真拡大

中東情勢の悪化にともない、原油を元にして作られる塗料が品薄になっています。
影響は、高知の夏の祭典に欠かせないあの製品にも及んでいます。

よさこい祭りには絶対に必要な鳴子。
高知市の小高坂更生センターが運営する「鳴子工房こだかさ」では、年間で約5万組の鳴子を製作しています。

■小高坂更生センター・友村正子さん
「いま塗っているのが鳴子ですけど、2月にご注文いただいた鳴子を塗装しているところ」

鳴子の色は、踊りに華を添えたり、よさこいチームの独自性を表現するうえで欠かせないものですが、この色付けがもうすぐできなくなるといいます。

■小高坂更生センター・友村正子さん
「今月いっぱい塗れるか、塗れないというような状況」

いま、色付けのために塗料を薄めるシンナーが品薄の状態になっています。
背景にあるのは、中東情勢の悪化による原油の供給不足です。

高知市介良にある塗料などの販売を行う角コーポレーションの角陽一郎さんに話を聞きました。

■角コーポレーション・角陽一郎 取締役
「原油由来のナフサから作られる化学品というのが塗料・シンナーの原材料として使われているので(中東情勢の悪化は)大いに影響がある」

ホルムズ海峡の事実上の封鎖で原油の調達が難しくなったことがシンナーの不足につながっていて、塗料業界はもちろんこちらの販売店でも出荷制限や納期の遅延のほか、最大75パーセントの値上げがあるなど非常に厳しい状況だといいます。

■角コーポレーション・角陽一郎 取締役
「何とかお客様にご迷惑をおかけしないようにシンナーであったり、溶剤・塗料も確保するようにメーカーと協力体制のもと進めているが本当に綱渡りのような日々を過ごしている」

こうした影響を受け鳴子工房こだかさでは、3月25日以降の発注については、鳴子の色付けを断らざるを得なくなりました。
よさこい祭りに向けてチームからの発注が増えるこれからの時期に大きな痛手です。

■小高坂更生センター・友村正子さん
「5月以降は入手困難と言われている。高知のよさこいに向けて、本当に6月までがピークの時期に塗装ができない状況ですので、踊り子さんに踊ってもらえる鳴子をご提供しようと考えている」

工房では、いまの時期に発注を受けたよさこいチームには色付けをせず、透明な塗料も塗っていない「白木」と呼ばれる鳴子の制作で対応しています。

しかし、「白木」の鳴子には難点も―。

■小高坂更生センター・友村正子さん
「にぎってるグリップのところが汚れやすい。雨が降ると木がどんどん水を吸収してしまって壊れやすい」

踊り子にとっても人気が低いという「白木」の鳴子。

工房では、塗料が使えない変わりに、プリンターによるデザインや持ち手にひもを巻いて汚れを防ぐなど、代替案を模索しています。

■鳴子が小高坂更生センター・友村正子さん
「作れないわけではない。今年(2026年)は何らかの工夫、何か新しいことを前向きに考えていく方法を考えてみようと思う」

収束が見通せない中東情勢の悪化の影響が高知を代表する祭りに思わぬ影を落としています。