きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1286円高の5万7650円と大幅高で最高値街道をまい進。祝日前でも買い気が全く衰えない。買い主体は海外だが、おそらく欧州系の足の長い資金と米国系ヘッジファンドの買いなどが入り乱れて、十把一絡げに東京市場に流れ込んでいると思われる。最近の株高で時価総額が膨張しているため、売買代金も自然と膨らむのは道理だが、それでも今週に入ってから2営業日合計で売買代金が20兆円に達したことには驚かされる。サナエノミクス効果、恐るべしというところだ。

 そうしたなか、個別ではデータセンター関連株への物色人気が再燃している。最近になって、米国のソフトウェア関連株の波乱安に遭遇したが、これは「データセンター」という株式市場で不動とされていた成長テーマとしての位置付けにも暗雲を漂わせる。AI半導体はAIサーバーに搭載され、AIサーバーはAIデータセンターに格納される。そして、これらのインフラを使ってクラウドを経由し生成AIサービスをユーザーに提供するのが、今回米株市場で売り攻勢を浴びたソフトウェア関連株ということになる。ソフトウェア関連株が売られたのは、周知の通り、新興AIの米アンソロピックがハイスペックなAIエージェント機能を付加した自動化ツールを開発し、お披露目したことが背景にある。これによって業務効率化ソフトを凌駕し、法務やデータ分析サービスなどをクラウドで提供する企業の仕事を奪うというシナリオがにわかにクローズアップされた。こうなると、サバイバルゲームで付加価値の低いクラウドサービスを行っている企業は早晩淘汰されてしまう。

 そして、ハイパースケーラーはともかく、クラウドサービスを展開する企業の数が激減すると、現在先を競ってデータセンターの新設・増設に躍起となっている行為がやはり過剰な投資ではないかという疑念として、またぶり返すことになる。AIモデルの進化は、エッジAIで代替されてしまうクラウドサービスを行う企業群を根絶やしにしてしまうわけで、そのインフラの源流であるデータセンターも顧客がいなくなれば、一部は無用の長物と化す可能性が意識されて当然だ。ディープシーク・ショックの時と同様、AIバブル崩壊懸念が再び立ち上がってくるような気配が投資家の不安心理を煽った。