祖父母の土地、固定資産税だけで「年12万円」に…!「草むしりだけで夏が終わる」放置地獄のリアルとは

写真拡大 (全2枚)

相続で引き継いだ祖父母の土地があるけれど、使い道もなく、毎年固定資産税を払うだけ。雑草の手入れも大変で、夏になると草むしりに追われる……。そんな放置された土地の管理に悩む人が増えています。 本記事では、年間12万円もの税負担を抱えながら、使い道のない土地がもたらす“放置地獄”の実態と、知られざるリスク、対処方法について分かりやすく解説します。

相続したまま放置される土地が増加中

少子高齢化と過疎化が進む中で、使われないまま相続され、管理されずに残された土地が全国的に増加しています。特に、農地や山林、住宅地の一部など、活用が難しいエリアにある土地は「とりあえずそのまま」になりがちです。
法務省総務省の調査によると、相続登記がされないまま放置される土地が増加し、全国で九州本島よりも広い面積が使われていないとも言われています。土地を相続したはいいものの、何に使えばよいか分からず、結果として何年も手をつけないというケースが多発しています。
また、地方都市や山間部では、売却も貸し出しも難しい土地が多く、土地の「価値」が実際にはほとんどないのに、税金と管理の「コスト」だけがかかる状態になってしまうのが現実です。
 

固定資産税だけで年間12万円の出費という現実

「建物も何も建っていない、ただの土地なのに、税金だけが重くのしかかる」。これは決して珍しい話ではありません。住宅地で100坪程度の広さがあると、場所によっては固定資産税が年10万円~15万円程度になることも珍しくありません。
特に、都市計画区域内であったり、宅地として評価される場所では、利用していないにもかかわらず「住宅用地」として課税評価されるケースもあります。表1は、一般的な固定資産税のシミュレーション例です。
表1

土地の評価額 固定資産税(年額) 800万円 約12万円 1000万円 約15万円 1200万円 約18万円

※筆者作成
※建物がない土地、都市部の住宅地評価での概算
このように、収益を生まない土地でも、税負担は毎年続きます。しかも、売らない・使わない・貸さない限り、この税金は減らないため、「持っているだけで出費が発生する資産」という矛盾に悩む人が後を絶ちません。

草むしり・管理・近隣トラブル…“放置地獄”の実態

固定資産税に加え、多くの人を悩ませているのが「管理の手間」です。特に夏場になると、雑草の成長スピードは凄まじく、1ヶ月放置するだけで膝丈まで草が伸びてしまうことも。結果的に、年に何度も草刈りや清掃に通わなければならず、時間も労力も奪われます。
さらに厄介なのが、近隣住民とのトラブルです。草が伸びっぱなしになると「見た目が悪い」「虫が発生する」「火事の危険がある」といったクレームが入りやすく、放置しているだけで地域との関係悪化を招くこともあります。
土地の放置は「知らないうちに迷惑をかけている状態」になりやすく、いずれは行政から除草命令や指導文書が届く可能性もあります。自分では使っていないから問題ない、という考えは通用しないのです。
 

放置土地が引き起こす相続・法的トラブル

管理が行き届かない土地は、将来の相続や法的な問題にも発展しやすくなります。相続人が複数いる場合、誰が管理・税金を払うのかが曖昧になり、兄弟や親族間のトラブルにつながるケースもあります。
また、近年では「相続登記の義務化」が法改正によって進んでおり、令和6年4月以降は相続登記をしなかった場合に過料(罰金)が科される可能性もあります。放置すればするほど問題が膨らみ、資産どころか「負動産」として人生を圧迫する原因となるのです。
 

おすすめ関連記事

 

今すぐできる3つの対処法とは

土地の放置リスクを減らすためには、以下のような選択肢を前向きに検討することが大切です。
 

売却を考える

 需要が低い地域でも、解体後の更地や太陽光用地としてニーズがある場合もあります。
 

寄付や譲渡を検討する

 自治体によっては、公共目的での受け入れ制度が設けられているケースがあります。
 

定期的な管理委託を行う

 草刈りや清掃を業者に任せ、管理負担を減らすだけでも状況は大きく改善します。
「そのうち何とかしよう」では手遅れになる場合もあります。まずは現状を把握し、専門家や自治体の窓口に相談するなど、アクションを起こすことが放置地獄から抜け出す第一歩です。
 

まとめ

祖父母から相続した土地が、年12万円もの固定資産税と終わりの見えない草むしりの手間だけを残しているという話は、決して他人事ではありません。使っていない土地であっても、税金や管理義務は所有者にのしかかり、放置することでさらに問題は深刻化していきます。
「ただ持っているだけの土地」が、将来的に大きな負担にならないよう、現状を見直し、売却・管理・相続の観点から早めの対処を行うことが求められます。土地は資産であると同時に、管理責任を伴うものであることを忘れてはいけません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー