「最初から一人だけ海外組で、キャプテンと言われて、もう本当にこのチームのために、日本代表に入れなかった選手のために、本当に日本人として、日本の力を見せたかったです」

 U-17日本代表GK村松秀司(ロサンゼルスFC)は、“日本のキャプテン”という重責を託される中で臨んだU-17ワールドカップについて、そう総括した。

 U-17オーストリア代表との決戦になった準々決勝、日本は惜しくも0-1で敗戦。いつもと変わらぬ勇敢なセービングを見せ、PKのピンチも阻止するなど“守護神”の仕事を見せた村松だが、「チームが勝てるチャンスをあげたかった」と、結果に肩を落とした。

「試合前の約束通り、このチームがちゃんと心を入れて戦ったという気持ちもありますし、勝てなかった悔しさは絶対あるんです。ちゃんとこの(日本の)エンブレムの力をめっちゃ見せたと思いますけれども、今日の試合は『もっとできる』とも思いました」

 連戦の疲労もある中でタフに戦い抜いたという確信を持つ一方で、決して勝てない試合ではなかったという肌感覚もあるということだろう。ただ、無情の結果を受け入れて次へと向かう重要性も知っている。

「これで俺たちのサッカー人生は終わっていないんで。ちょっと前向きになって、自分のサッカー人生であったり、普通の人生について気持ちや考えを持っていく必要もあると思います」

 最後までタフに戦い抜いた主将について、廣山監督は「シンプルに『すげえな』と思っている」と振り返り、こうも語った。

「本当に他の選手にとって、すごく学びのある仲間だったと思います。村松に関しても普段と違う仲間とやって、多分大きな学びを得て、大きく変化した一人でしょう」

 AFC U17アジアカップでは副キャプテン、そしてこのU-17ワールドカップでキャプテンに据えたのは、その人間性を存分に発揮し、仲間たちに影響を与えてほしかったからでもある。

「ひょっとしたら外から入ってきたので、普段から一緒にいれない分、気後れもあるかもしれなかった。だからキャプテンにしたことで、村松の中に遠慮せずに言う意識が出て、本来持っている力を発揮しやすい状況になったと思います」

 指揮官の高い評価に村松もピッチ内外で応え、大きな影響を残すこととなった。

「この代表チームが俺のことを信じてくれたんで、それは他の代表やクラブチームで感じたことがないくらい、俺のことを信じてくれた」

 そう語った村松は「どこにいる日本人であっても、日本のために何でもできるくらいの思いがあることを、他の日系人や他の日本人に見せたかった」と続けたが、その熱い思いを疑う者など、一人としていないことだろう。

(取材・文 川端暁彦)