アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、現地で話題のフードやライフスタイルを紹介してもらいます。今回は、シアトルのバードウォッチング事情と野鳥を呼ぶ庭づくりについてです。

シアトルではアウトドア・ライフが身近にある

自然豊かなシアトルには、野鳥が憩う湖や公園があちこちにあり、街中で気軽にバードウォッチングが楽しめます。

たとえば、暖かくなると近所の公園で湖沿いの遊歩道を一周する間に、カルガモからカナダガン、アヒル、運がよければハクトウワシまでが勢ぞろい。近所を散歩すれば、キツツキが忙しく木を打ち鳴らし、北米で「ブルージェイ」と呼ばれる青い鳥、アオカケスが優雅に飛び回ります。郊外のキャンプ場では水辺にオオアオサギ、夜間にはコウモリの姿も。

「おうちでもバードウォッチングができたらなぁ…」

という夫のアイデアに私も膝を打ち、わが家の庭先に小鳥の餌(エサ)場をつくってみることにしました。

失敗後、巣箱を放ったらかしの末に…

最初に夫が屋外に設置したのは、市販のバードフィーダー(鳥の餌入れ)です。金属製で、支柱を地面に突き刺し、餌箱をぶら下げるタイプでした。

ところが、これが大失敗! 小鳥というよりはおそらくリスやネズミに荒らされてしまったようで、餌が地面にばら撒(ま)かれた結果、餌箱の下になにかの種が発芽して雑草がボウボウ…。これはやっていられないと、私が早々に却下しました(苦笑)。

それを見かねた(?)夫の友人が、お手製の巣箱を設置してくれたのですが、春になっても夏になっても巣箱に変化なし…。小鳥は一向に来ず、「おうちでバードウォッチング」の夢は、なかなか実現しません。

そんななか、小鳥がようやく巣をつくりました。巣箱ではなく、軒下に(笑)。ただ、せっかく完成した巣も、近所の猫によって台なしに…。そのお礼として猫からの「分け前」が玄関に置かれていたときは大ショックでした。

「うちにはもう小鳥は戻って来ないだろう」

と、あきらめていたのですが、帰巣本能でしょうか。翌年には軒下より高い屋根裏に穴をあけ(!)、巣をつくりました。せっかく設置した巣箱は、やはり見向きもされません。屋根裏の穴は、その後のリフォーム時にふさいでしまいました。

その翌年、なんと巣箱に巣をつくったのです。やっと気づいてくれました。ここまで長かったこと!

巣箱以外に小鳥がやって来る場所とは

以来、うちの巣箱は毎夏、小鳥でにぎわうようになりました。ちなみに夫によると、その小鳥の風貌から、どうやらゴジュウカラではないかとのことです。グレーのボディーが特徴の、北米でよく見かける野鳥です。

さて、巣箱の評判が小鳥界隈で広まっているのか、近年はゴジュウカラ以外のお客さまも来てくれます。

たとえば、北米で「ハミングバード」と呼ばれるハチドリ。ちょくちょく、つがいで遊びに来ます。ハチドリは北米の先住民から「愛と幸せをもたらす鳥」として親しまれ、スピリチュアルな意味をもつとも聞きます。見た目もカラフルで美しく、空中にとどまるときの独特なホバリングがかわいらしい。ハチドリを見ると、なんだか得した気分になります。

そんなハチドリがいつも立ち寄るのが、庭先の蛇口の下にできた小さな水たまり。夏場は庭木への水やりのたびに、自然とできる水たまりなのですが、ハチドリの格好の水飲み場となっているようです。

あとは、これまた北米ではおなじみの「ロビン」。日本語ではコマツグミと言うそうです。最近まで毎朝、大群で押し寄せていました。ちょうど巣箱のまわりにはもともと冬に赤い実をつけるコトネアスターが植わっており、ナチュラルに餌場となっていたのです。

よく利用する図書館で、近所で観察できる野鳥の例が紹介されているのを見かけました。まだまだ知らない鳥がたくさん! おなじみさんはもとより、新しいお客さまが待ち遠しい今日この頃です。