平畠氏が選出した9月のJ1月間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

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 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。9月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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 ようやく暑さが落ち着きつつある今日この頃。ついこの間まで暑すぎる日が続いていたのに、気がつけば一年の終わりが近づき、終盤戦に向かって行くJ1リーグの9月のベストイレブン、MVPを今回も勝手にセレクト。

 GKはヴェルディのマテウス。3試合でG大阪戦の1失点のみ。ゴール前だけでなく、ディフェンスラインの裏のスペースのケアも怠らない。2勝1分の成績に大きく貢献した。

 ただ、福岡の永石拓海の活躍も見逃したくない。出場機会が多くはなかった今シーズンだが、31節、32節とスタメンに抜擢されると連続無失点。出場が叶わない日々も、コンディションを落とさずパフォーマンスの向上に努めた結果がピッチで表現された。

 試合を見れば、試合のない日々が想像できる永石の活躍には、プロのゴールキーパーの生き様が詰まっていた。

 DF、右サイドには広島の中野就斗。首位攻防、町田戦での2アシスト。大事な試合でチームを勢いづけた。試合途中で右サイドに新井直人が入り、中野が3バックに入る鉄板パターンを見ても、中野をピッチに置いておきたいというスキッベ監督の信頼の厚さがうかがえる。

 左サイドには湘南の畑大雅。速さが持ち味だが、速さだけでなくゴールに絡む仕事が増加。鹿島戦での冷静なシュートでゴールを奪ったシーンは見事。速さだけでなく怖さも身に纏いつつある。
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 CBは名古屋の三國ケネディエブスと神戸のマテウス・トゥーレル。名古屋に加入し3バックの中央を任されると、本来のポテンシャルが開花した三國。堂々ディフェンスラインに君臨し相手の攻撃を跳ね返し、名古屋の3連勝、3試合無失点に大きく貢献した。

 個の強さに加え安定感もあるマテウス・トゥーレル。攻撃時のセットプレーでも迫力十分。頼りになる存在である。

 ボランチは川崎の河原創とFC東京の東慶悟。夏に加入したばかりなのに、すぐにフィットし川崎の中盤で存在感を放つ河原。鋭い寄せからのボール奪取、正確なキック、無尽蔵なスタミナ。河原一人で、二人分、三人分の仕事ができる。

 そして、東がボランチでスタメン出場するようになってFC東京は3連勝。攻守両面で絶妙のタイミングで顔を出し、局面を好転させていく東。前線4人を輝かせ、後方の選手の守備やビルドアップをサポート。数字には出ない部分での実質的な貢献度が高い。終盤戦でもさらに欠かせない存在になっていくだろう。
 
 右の中盤には広島の加藤陸次樹。充実の広島にあって、攻撃を牽引しているのは間違いなく加藤。今月は2ゴール・1アシストだが、今月に限らず常に攻撃を牽引し、広島に欠かせないピースの一人である。

 左サイドに置かせていただくことにしたのは名古屋の永井謙佑。とにかく速い! そして、その永井の速さを活かした名古屋のカウンターが見ていて気持ちいい! 2ゴール・2アシストで名古屋の3連勝に大きく貢献した。

 FWは川崎のエリソンと神戸の大迫勇也。新潟戦で5ゴールすべてに絡み、2ゴール・2アシストのエリソン。山田新との2トップは破壊力抜群。前線からの守備でもチームに勢いをもたらした。
 
 神戸の大迫は9月1日の福岡戦で2ゴール。ただ、それ以上にその後の試合の3アシストに注目したい。ここに神戸のさらなる進化が見られる。大迫にマークは集中する。それを巧みに利用してチームとしてゴールを生み出していく。シュートもうまいがパスも一級品の大迫。いや、ゴールに関係なくとも浮き球の処理は芸術の域で別次元。大迫以外の選手がゴールすることで、マークは分散し大迫のゴールの可能性が今後さらに高まっていくだろう。

 気づけば神戸が2位で首位広島と勝点差「1」。おもしろくなってきました! 

 そして今月のMVPは名古屋の永井。走るだけでスタジアムを沸かせられる選手は多くはない。さらにカウンターを見事に完結させて、スタジアムに歓喜をもたらすことができる。少しくらいのストレスやモヤモヤなら永井が解消してくれる。痛快なプレーを披露した永井を9月のMVPにします!

取材・文●平畠啓史