・インタークーラーとエグゾーストの改良により、ブースト圧を向上

OMPのドライバーズバケットシートは、『ワイルド・スピードMAX』の撮影中にポール・ウォーカーが最後に使用した位置に固定され、それ以来、動かされたことはない。撮影が終了し、続編である『ワイルドスピードメガマックス』の制作に取り掛かった後、車はアメリカ国境警備隊に押収された。組み立てられた車であること、R34 GT-Rがアメリカに正規輸入されていないことなどから、複雑な法廷闘争に突入した。そして2012年、この車両はリリースされ、ドイツに輸出され、現在に至る。ちなみに近年では、一部のR34 GT-Rがショーやディスプレイのタイトルとしてアメリカに輸入されている。

この車には、「BNR34-400109」というオリジナルのシャーシスタンプが刻印されており、17桁のVIN「1K1AAWDD77K400109」(助手席Aピラー横のフロントガラスタグにも見える)も残っている。ドアシャッターのステッカーにもKaizoの車体番号が記載されており、特別仕様車であったことがわかる。しかし映画製作のために渡米するまでの日本での経歴は不明であり、走行距離も確認することができない。

この車は最近はほとんど使用されておらず、ミュンヘンモーターワールドの人気展示となっている。車を見るために遠方からもファンが訪れるそうだ。走行可能ではあるものの、しばらく展示されていた車ではあるため、走らすには整備と再点検が必要となるだろう。

映画『ワイルド・スピード』シリーズは、全世界で60億ドル以上の興行収入を記録し、1作目のスープラエアロトップを始め、この映画に出てきた数多くの車が間違いなく映画史に色濃く残っているだろう。特にこのGT-Rは、時代を超越したデザインを持つだけでなく、今は亡き素晴らしい俳優が遺した最も有名な劇中車の一台であるというプライスレスの価値があるのだ。

ただでさえR34 GT-Rの中古車価格が異常なレベルで高騰しており、さらに言えばその高騰の原因の一つがワイルドスピードシリーズであることを考えると、実際に一体この車がどれだけの価格で落札されるのかは予想がつかない…。