ワイスピ劇中車!ポール・ウォーカーこだわり仕様の「ブライアンのGT-R」|自動車映画史に残る一台がオークションに
撮影では、数台ベイサイドブルーのスカイラインが使われているが、今回紹介する車以外はすべてスタントカーとしてドレスアップされたものだ。実は、劇中のほとんどのシーンに登場するR34は、スカイラインGT-Tのノンターボベース仕様にイーストベア製のボディキットを装着し、ドリフト走行に適した後輪駆動にしたものだったのである。GT-Tと爆発する車の他には、バックカーと呼ばれる撮影のためにトレーラーにボディのみを搭載した車が使用された。
この車は日本で購入され、Kaizo Industriesによってエンジンがない状態でアメリカに持ち込まれた。RB26エンジンはアメリカで調達されたため、輸入時に車はキットカーとして分類され、カリフォルニアで再び組み立てられることによって完成した。アメリカには「25年ルール」という、製造から25年が経たないと海外から右ハンドル車を輸入することができない独自ルールがあるのだが、このように抜け道を巧みに利用し、本物のBNR34がロサンゼルスの街を走ることとなったのである。また、Kaizo Industriesは数多くのGT-Rを輸入し、シートベルトマウントの強化やボディシェルの補強など、米国運輸省の基準に適合させるために様々な工夫を重ねた。
2013年に交通事故で悲劇的な死を遂げたポール・ウォーカーは、亡くなるまで『ワイルド・スピード』の全作品にブライアン・オコナー役で出演していた。劇中のキャラクター像と同様、彼は真のエンスージアストであり、実際に私生活でも素晴らしいカーコレクションを所有していた。
レーサーであると同時に熱心なコレクターでもあったポール・ウォーカーは、今回出品されたGT-Rも強いこだわりを持って仕上げた。ベイサイドブルースカイラインのクリーンでクラシックなラインを際立たせるために、彼は余計な外装の装飾を取り外すことをリクエストした。ワイルドスピードといえば、派手なバイナルが描いてある車が多く登場するが、彼は「ステッカーボンバー(ステッカーが何枚も重ね貼りしている車)には乗らない!」と言ったそうだ。それほどまでに彼の要望は的確で、リアフォグランプを赤から白のレンズに変えてほしいという要求まであったという。
劇中ではストリートレースのルートがセンターディスプレイにデジタル表示され、ライバル達の位置を確認しながらドライバーはアクセルを踏みちぎる。このセンターディスプレイはポール・ウォーカーの要望を受けて追加されたものだ。
ポール・ウォーカーの改造は、見た目だけにはとどまらない。そのほかにも、以下のような改造が施されている。
・ターボネティックス製フロントマウント・インタークーラー
・ニスモのロワリングスプリング
・特注のロールケージ
・ARCチタンストラットブレース
・19X11 ボルクレーシング RE30 19x11ホイール
・フロントに6ポッドキャリパー、リアに4ポッドキャリパーを装着
・ニスモバージョンIIバンパー(サイドスカート付)
・イーストベアフード
・リアシート除去
・モモスポーツアルカンタラステアリングホイール
・ニスモVスペックペダル(ちなみにストリートレースのカウントダウンの時にクローズアップされる)
・ダッシュボードマウントモニター用カスタムヘッドアップディスプレイ
・MFD Xenarc ディスプレイユニット(車載ECUにプログラムされたメーター付き
・ソニー製ヘッドユニット
・OMP社製カスタムレーシングシート(5点式ベルトシステム付
・ニスモNE-1エグゾーストシステム)
