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リアエンド 名前の割にコンサバ

撮影:Takamasa Miyakoshi(宮越孝政)編集:Taro Ueno(上野太朗)

アルテオンが発表されたのは2017年の春。5ドアハッチのボディを与えられたセダン、いわゆる4ドアクーペである。

【画像】選べるスタイル【アルテオンのセダン/シューティングブレークを比較】 全107枚

ドイツのライバルではAMG GT 4ドアクーペやCLA、BMWの2、4、8シリーズのグランクーペ、ポルシェ・パナメーラ、アウディA5やA7のスポーツバックあたり。


フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンス    宮越孝政

今どきの売れセンに、少し遅れて参入してきた印象があった。

セダンに対してワゴンがあるように、4ドアクーペに対してシューティングブレークが用意されることは珍しくない。

今年7月、アルテオンのマイナーチェンジにあわせて本邦デビューしたシューティングブレークは必然ともいえる1台だったわけだ。

アルテオンの長所はなんといってもスタイリッシュな内外装の見た目にある。

水平基調のダイナミックなグリルが主張するフロントマスクもこれまでのVWにないスペシャリティ感がある。

そのシューティングブレーク版に期待していたのだが、初めて見た実車のリアエンドのスタイリングはわりとコンサバに思えた。

メルセデスがCLAのシューティングブレークで見せたような思い切りの良さ、華のようなものは感じられない。

じゃあボディ形状が変わって積載量が大きく変わったのかといえば、5ドアの563Lに対し565Lで見た目と違って大差なし。

リアハッチを開けた際の使い勝手は少しだけシューティングブレークの方がいいと思えたが……。

マイチェン効果 乗り心地が向上

5ドアハッチのアルテオンと、そのシューティングブレークに用意されるパワートレインはTSI 4モーションの1択。

つまりガソリンの2L直4ターボ+AWDということになる。


フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンス    宮越孝政

パッケージの違いによりRラインとRラインアドバンス、エレガンスという3つのグレードがあり、今回の試乗車はエレガンスだった。

マイナーチェンジ後の進化はすぐにわかった。

デビュー当初は、プラットフォームを拡大したモデルにありがちなアシのバタつきがあった。

そう、アルテオンの骨格はおなじみのMQBであり、その車幅はMQB使用モデルの中では最大級といっていい。

だからだろうか、可変ダンパーのDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)が標準装備されていても、バネ下のバタつきをフロアが拾って共振するような場面があった。

DCCはセミアクティブの、いわゆる「考えるアシ」なので、デビュー当初は少し煮詰めが甘かったのかもしれない。

ともあれ今回マイナーチェンジ後として導入されるシューティングブレークは、以前の5ドアハッチのアルテオンで気になったアシのバタつきが払拭されていたのである。

走りのネガがなくなると、2トーンの本革シートとか、恐ろしくプレミアム感が高いインパネといった見た目の部分も説得力が増してくる。

しかも今回は週末の想像が膨らむシューティングブレークである。

はじめてアルテオンというクルマに食指が動いた。

そのカタチに惚れ、価格にも納得

シューティングブレークを含めたマイナーチェンジ後のアルテオン印象は悪くない。

けれどそのドライブフィールを「ドイツ車的な堅牢な感じ」とまではいいきれないと思った。


フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンス    宮越孝政

とくに最新のゴルフ8の完成度と比べると、それが浮き彫りになる。

設計から完成までひと筆書きで書き上げたVWを代表するゴルフに比べると、アルテオンというクルマは派生モデルという立ち位置なのだと思う。

つまりアルテオンは、カッコよさとゴルフ的な動的質感の両方を手に入れたいという人の欲望は満たしてくれない。

価格とパッケージングをライバルと比べて冷静に考慮する人ならばすんなり受け入れられると思う。

今回の試乗車の車両価格は644万6000円で、これにラグジュアリーパッケージなどのオプションが付いても乗り出し700万円を切る。

この価格にして、272psのエンジン、AWD、歴代VWの中でも最高にスタイリッシュなDセグサイズのボディ、精悍なコクピット、足元が広いリアシート、セミアクティブのアシと20インチホイール、インフォテイメントも最新だし、もちろんACCとレーンアシストによる運転支援システムなどなども備わっているのだ。

輸入車のライバルと比較しても遜色ないはずなので、あとはスタイリングが気に入るか否かの問題。

そこに今回、シューティングブレークという強力な選択肢が加わったわけだ。

家族で出かけることを考えれば、荷室の容量が大差なくてもシューティングブレークがお薦め。きっと行動範囲が広がると思う。

VWアルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンスのスペック

価格:644万6000円
全長:4870mm
全幅:1875mm
全高:1445mm
ホイールベース:2835mm
車両重量:1750kg
パワートレイン:直列4気筒1984ccターボ
最高出力:272ps/5500-6500rpm
最大トルク:35.7kg-m/2000-5400rpm
ギアボックス:7速オートマティック


フォルクスワーゲン・アルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンス    宮越孝政