投資収益を受け取りながら長期投資する「予想分配金提示型」という新しい毎月分配型ファンドの魅力
「毎月分配型」が強い批判の対象になったのは、毎月安定的な分配を実施することが重視されるあまり、ファンドの運用収益を超えた分配が常態化したことによる。投資する株式の配当金や債券の利息といったインカムゲインと、1カ月間の投資証券の価格上昇による利益(キャピタルゲイン)の合計額をその月の分配金とする分には問題がないが、その投資収益を超えて分配すると投資元本を一部切り崩して分配金を支払うことが起こってしまう。いわゆる「タコ足分配」で、投資した資金をどんどん取り崩すことになり、資産形成には役に立たない商品になってしまう。この結果、投信の基準価額が下落し、今では、2000円台や1000円台になってしまったファンドもある。
このような毎月分配型への批判に応えて登場してきたのが、「予想分配金提示型」という新しいタイプの毎月分配型ファンドだ。このタイプのファンドは、毎月の分配金をファンドのインカムゲインやキャピタルゲインから分配するように、基準価額の水準に基づいて分配金額を予め決めてある。例えば、基準価額が1万1000円未満の場合は分配なし、1万1000円から1万2000円では200円、1万2000円から1万3000円では300円などと決まっている。分配ルールが明確で分かりやすい。このことによって、投資資産の収益部分を利食いして、長期で資産を保有するという新しい投資のスタイルができてきた。
この「予想分配金提示型」のファンドは、その他のファンドと比べて、解約率が低いという特徴がある。2017年11月から2020年8月まで、「予想分配金提示型」のファンドと「資産成長型」ファンドの解約率(当月解約額÷前月末純資産額)を調べると、「予想分配金提示型」の解約率が傾向的に低いということがわかる。このような傾向が出るのは、「予想分配金提示型」は、投資資産の投資収益部分だけを一部分利益確定して手元に戻してくれる効果があるためだろう。長期で値上がり期待が高い投資資産に投資するファンドでは、「将来楽しみな資産を保有しつつ、値上がりした分だけは、その都度利益確定して長期で投資を楽しむ」という使い方がされているようだ。
