サッカー史に残る死闘となった2005年のCL決勝。そのピッチに立ったリバプール戦士が苦渋の決断を下した。 (C) Getty Images

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 レッズ伝説の優勝メンバーが、苦難の末に一大決心を下した。

 現地時間10月16日、リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、元アイルランド代表DFのスティーブ・フィナンが、2005年にチャンピオンズ・リーグ(CL)を制した際の優勝メダルをインターネットオークションに出品したと報じた。

 それはまさに“奇跡”の証拠品である。かつてリバプールでプレーした右SBが出品したのは、04-05シーズンにイスタンブールで開催されたミランとのCLファイナル、3点を先行されながら後半に追いつき、PK戦の末に強敵を撃破した一戦の貴重なコレクションだ。

「イスタンブールの奇跡」と称され、サッカー史に残る死闘のコレクションだけに価値は高い。優勝メダルは1万5000ポンド(約210万円)と高額で取引され、先発出場していたフィナンが着用していたユニホームには、およそ2500ポンド(約35万円)の値が付いた。

 また、フィナンは2005年に開催されたリーグカップの準優勝メダルや着用していたユニホームも競売にかけている。
 
 智将ラファエル・ベニテスからの信望も厚かった名SBは、なぜ自らの現役時代の品々を売りに出したのか――。それにはのっぴきならない事情がある。

 リバプールのあらゆる情報を発信している『Liverpool Echo』によれば、フィナンが兄ショーンとともに携わっている不動産開発事業の経営が悪化。それによってロンドンで立ち上げた『Finnan Developments』が、現在400万ポンド(約5億6000万円)もの借金を抱えてしまっているため、ネットオークションを頼らざるを得なくなったという。

 過去の栄光の品を売りに出さなければいけないほどの困窮した状況にあるフィナン。労を惜しまないプレースタイルでファンからも愛された男のセカンドキャリアは、現役時代の輝きとはかけ離れたものになってしまっているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部