日本の漫画はオワコン化している!? 急成長する中国・韓国の漫画市場でサバイブするカギは「縦スクロール漫画」
放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。3月29日(日)の放送では、作家のエージェント業を営む、株式会社「コルク」代表取締役会長CEO・佐渡島庸平さんが登場しました。

◆急成長する中国と韓国の漫画市場
佐渡島:実は日本の漫画って、世界的に終わりだしているんですよ。
高須:ええっ!?
佐渡島:今は「鬼滅の刃」(集英社)が圧倒的に売れていて、大手出版社は過去最高益を出しているんですね。だから出版業界の人は、あまり“終わっている”と思っている人は少ないと思います。たとえば、中国で1番読まれている漫画は、約1億5,000万ダウンロードぐらいあるんですよ。
高須:えー! すごいねぇ。
佐渡島:WEB漫画の配信会社には、2,000人ぐらいの漫画家がいるのですが、全部中国人です。3、4年前に話をしたタイミングだと「日本の漫画家を入れようか」と言われていたのですが、今だと「いらない。翻訳代が勿体ない」なんですよね。
高須:全部、中国人でやれちゃう。
佐渡島:最近、「インベスターZ」(講談社)っていう漫画で中国の企業を応援するっていう企画があったんですね。中国版の漫画のサンプルを、中国人の漫画家4人に描いてもらったんですけど、全部の絵がめちゃくちゃ上手い。
日本の漫画が読めるサイトだと、1,000万ダウンロードぐらいの規模なんですよね。それが、中国だと1億1,000万ダウンロード。韓国のNAVERとカカオという企業が配信している漫画は、全世界でどちらも5,000万ダウンロードぐらいあります。
日本の漫画って、世界の人からすると、いわゆる“オタク”と思われる層の人が読むもの、ってイメージがあって。韓国と中国の漫画には、そういうイメージの壁がないんですよね。いろんな人が読んでいて、作品がNetflixなどの映像作品の原作になったりするんです。
高須:スケールが大きくなっているんですね。
佐渡島:中国や韓国の漫画って、“日本の作品のパクリ”って言われていたじゃないですか。今や、独自の路線に進んでいるんですよ。縦スクロールの漫画で、オールカラー。最初は縦スクロールの漫画って、“漫画をただ縦にしただけじゃん”って思っていたのですが、違いました。表現方法が違う。
高須:“中国が好きな漫画の表現”ってあるのでしょうか。
佐渡島:物語の型自体は同じですね。縦スクロールの漫画って、情報を摂取する時間の速度が違います。小説だと5時間から10時間ぐらいは読む時間がかかりますよね。漫画の単行本だと、30分ぐらい。縦スクロールの漫画だと、もっと速いんですよ。
高須:なるほど。
佐渡島:そして、その速さで理解できる物語じゃないといけない。
高須:スッと話が入ってこないとダメなんですね。
佐渡島:そうなんです。縦スクロールの漫画に出てくるキャラクターの数は少なくなっています。
高須:減らしながら、キャラクターたちが目立つよう工夫をする。それが日本よりも優れているということですね?
佐渡島:そうです。韓国は10年間、中国は5年間、技法を磨いていますね。日本の漫画家は、“モノクロの見開き漫画のほうが優れている”って、今も思っていますよね。そして、読者もそう思っている。だけど、それじゃあ世界進出はできないんですよ。
高須:そうかぁ。ストーリーだけじゃない、“プラスアルファ”がいるんですね。
◆ダウンタウンの漫画の企画書を作っていた!?
高須:ダウンタウンのマネージャーをやっていた木本公敏と繋がりがあったんですよね。
佐渡島:キッカケは麻雀ですね。小学6年生の頃に、大学生のいとこが麻雀をしていて。そのときに一緒に麻雀をしていたのが木本さんでした。
高須:すごい繋がりだね(笑)。
佐渡島:自分は講談社に務めて、「モーニング」という雑誌の編集になって。その頃に、いとこ経由で、木本さんがダウンタウンのマネージャーをしていると聞いていたので、「漫画の原作をやってもらえないか」って、企画書を提出したんですよ。
高須:なんで企画が通らなかったんだろうね。
佐渡島:僕はその頃、新入社員でして。1週間から2週間ぐらいで勝手に企画書を作って、誰にもチェックして貰わないまま勝手に提出したんですよ。なので、どんな企画書だったのかあんまり覚えていないですね(笑)。
高須:(笑)。それが実現できていたら、面白かっただろうねぇ。何年前ですか?
佐渡島:18年ぐらい前ですね。
高須:ちょっとダウンタウンが沈んでいた頃ですね。“濃いお笑いはもういい”みたいな空気が流れていたタイミングがあって。やれたら面白かったろうにねぇ。
佐渡島:好き勝手動いていましたね(笑)。
高須:そういうのがOKな社風だったんですか?
佐渡島:そうですね。
◆憧れの漫画家の担当に
高須:そもそも、なんで講談社に入ろうと思ったのですか?
佐渡島:僕は、「バガボンド」(講談社)の井上雄彦さんが大好きで。絵だけじゃなくて表現も本当に上手い。
高須:じゃあ、“憧れ”で入社したのですか?
佐渡島:そうです。井上雄彦さんと村上春樹さんが憧れの作家でして、その2人の本を出しているのが講談社だったので入りました。入社して、“もし、(2人の)担当になれたらラッキーだな”と思っていましたね。
高須:ご自身は漫画家や小説家になろうとは思わなかったのですか?
佐渡島:絵が下手過ぎて、漫画家になろうと思ったことは1ミリもないですね。
高須:毎回、漫画家の人はみんな「練習したら絵は描けますよ」って言われるんですけど、実際はどうなんですか?
佐渡島:今、漫画家を指導する立場なのですが、どうしても時間は必要ですね。
高須:上手くなるには。なるほど。
佐渡島:20歳ぐらいの頃は、そんなことは思いもしませんでしたね。小説は、高校の頃に受賞経験はあります。だけど、井上雄彦さんの担当になれたので。「特別に選ばれたんじゃないか」って言われたりするんですけど、そうじゃなくて。モーニング編集部の新入社員って、新入社員を指導する社員が担当している漫画家を、一緒に担当させてもらえるんです。僕の年は井上雄彦さんで、次の年は「ジパング」(講談社)のかわぐちかいじさんでした。
高須:うわ、すごい! ドンピシャでしたね。
次回4月5日(日)の放送は、引き続き佐渡島庸平さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2020年4月6日(月)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00〜25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/ https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/

(左から)佐渡島庸平、高須光聖さん
◆急成長する中国と韓国の漫画市場
佐渡島:実は日本の漫画って、世界的に終わりだしているんですよ。
佐渡島:今は「鬼滅の刃」(集英社)が圧倒的に売れていて、大手出版社は過去最高益を出しているんですね。だから出版業界の人は、あまり“終わっている”と思っている人は少ないと思います。たとえば、中国で1番読まれている漫画は、約1億5,000万ダウンロードぐらいあるんですよ。
高須:えー! すごいねぇ。
佐渡島:WEB漫画の配信会社には、2,000人ぐらいの漫画家がいるのですが、全部中国人です。3、4年前に話をしたタイミングだと「日本の漫画家を入れようか」と言われていたのですが、今だと「いらない。翻訳代が勿体ない」なんですよね。
高須:全部、中国人でやれちゃう。
佐渡島:最近、「インベスターZ」(講談社)っていう漫画で中国の企業を応援するっていう企画があったんですね。中国版の漫画のサンプルを、中国人の漫画家4人に描いてもらったんですけど、全部の絵がめちゃくちゃ上手い。
日本の漫画が読めるサイトだと、1,000万ダウンロードぐらいの規模なんですよね。それが、中国だと1億1,000万ダウンロード。韓国のNAVERとカカオという企業が配信している漫画は、全世界でどちらも5,000万ダウンロードぐらいあります。
日本の漫画って、世界の人からすると、いわゆる“オタク”と思われる層の人が読むもの、ってイメージがあって。韓国と中国の漫画には、そういうイメージの壁がないんですよね。いろんな人が読んでいて、作品がNetflixなどの映像作品の原作になったりするんです。
高須:スケールが大きくなっているんですね。
佐渡島:中国や韓国の漫画って、“日本の作品のパクリ”って言われていたじゃないですか。今や、独自の路線に進んでいるんですよ。縦スクロールの漫画で、オールカラー。最初は縦スクロールの漫画って、“漫画をただ縦にしただけじゃん”って思っていたのですが、違いました。表現方法が違う。
高須:“中国が好きな漫画の表現”ってあるのでしょうか。
佐渡島:物語の型自体は同じですね。縦スクロールの漫画って、情報を摂取する時間の速度が違います。小説だと5時間から10時間ぐらいは読む時間がかかりますよね。漫画の単行本だと、30分ぐらい。縦スクロールの漫画だと、もっと速いんですよ。
高須:なるほど。
佐渡島:そして、その速さで理解できる物語じゃないといけない。
高須:スッと話が入ってこないとダメなんですね。
佐渡島:そうなんです。縦スクロールの漫画に出てくるキャラクターの数は少なくなっています。
高須:減らしながら、キャラクターたちが目立つよう工夫をする。それが日本よりも優れているということですね?
佐渡島:そうです。韓国は10年間、中国は5年間、技法を磨いていますね。日本の漫画家は、“モノクロの見開き漫画のほうが優れている”って、今も思っていますよね。そして、読者もそう思っている。だけど、それじゃあ世界進出はできないんですよ。
高須:そうかぁ。ストーリーだけじゃない、“プラスアルファ”がいるんですね。
◆ダウンタウンの漫画の企画書を作っていた!?
高須:ダウンタウンのマネージャーをやっていた木本公敏と繋がりがあったんですよね。
佐渡島:キッカケは麻雀ですね。小学6年生の頃に、大学生のいとこが麻雀をしていて。そのときに一緒に麻雀をしていたのが木本さんでした。
高須:すごい繋がりだね(笑)。
佐渡島:自分は講談社に務めて、「モーニング」という雑誌の編集になって。その頃に、いとこ経由で、木本さんがダウンタウンのマネージャーをしていると聞いていたので、「漫画の原作をやってもらえないか」って、企画書を提出したんですよ。
高須:なんで企画が通らなかったんだろうね。
佐渡島:僕はその頃、新入社員でして。1週間から2週間ぐらいで勝手に企画書を作って、誰にもチェックして貰わないまま勝手に提出したんですよ。なので、どんな企画書だったのかあんまり覚えていないですね(笑)。
高須:(笑)。それが実現できていたら、面白かっただろうねぇ。何年前ですか?
佐渡島:18年ぐらい前ですね。
高須:ちょっとダウンタウンが沈んでいた頃ですね。“濃いお笑いはもういい”みたいな空気が流れていたタイミングがあって。やれたら面白かったろうにねぇ。
佐渡島:好き勝手動いていましたね(笑)。
高須:そういうのがOKな社風だったんですか?
佐渡島:そうですね。
◆憧れの漫画家の担当に
高須:そもそも、なんで講談社に入ろうと思ったのですか?
佐渡島:僕は、「バガボンド」(講談社)の井上雄彦さんが大好きで。絵だけじゃなくて表現も本当に上手い。
高須:じゃあ、“憧れ”で入社したのですか?
佐渡島:そうです。井上雄彦さんと村上春樹さんが憧れの作家でして、その2人の本を出しているのが講談社だったので入りました。入社して、“もし、(2人の)担当になれたらラッキーだな”と思っていましたね。
高須:ご自身は漫画家や小説家になろうとは思わなかったのですか?
佐渡島:絵が下手過ぎて、漫画家になろうと思ったことは1ミリもないですね。
高須:毎回、漫画家の人はみんな「練習したら絵は描けますよ」って言われるんですけど、実際はどうなんですか?
佐渡島:今、漫画家を指導する立場なのですが、どうしても時間は必要ですね。
高須:上手くなるには。なるほど。
佐渡島:20歳ぐらいの頃は、そんなことは思いもしませんでしたね。小説は、高校の頃に受賞経験はあります。だけど、井上雄彦さんの担当になれたので。「特別に選ばれたんじゃないか」って言われたりするんですけど、そうじゃなくて。モーニング編集部の新入社員って、新入社員を指導する社員が担当している漫画家を、一緒に担当させてもらえるんです。僕の年は井上雄彦さんで、次の年は「ジパング」(講談社)のかわぐちかいじさんでした。
高須:うわ、すごい! ドンピシャでしたね。
次回4月5日(日)の放送は、引き続き佐渡島庸平さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2020年4月6日(月)AM 4:59 まで
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番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00〜25:29
パーソナリティ:高須光聖
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