予算安定しない…国立大の施設老朽化どうする?
老朽化施設は危険な上、研究・教育の質に影響する。しかし施設整備の予算措置ははかばかしくない。耐震化など安全性確保が優先され、「ライフラインの更新さえ十分でない」(国立大の財務担当理事)。
もっとも19年度の施設整備費は1155億円と、例年にない数字となった。これは国土強靱化の措置があったためで、この状況は20年度も続く見込みだ。しかし中長期的な見通しは明確でない。過去を見ても年による振れが大きい。東日本大震災の復興特別会計を除くにしても、常に補正予算に依存している。
必要な対応は現在進行中の「第4次国立大学法人等施設整備5か年計画」(2016―20年度)で示されている。しかし「19年度当初予算までで計画面積の23%しか整備できない」(文科省文教施設企画・防災部)状況だ。近年は各大学の自助努力で寄付や自治体補助金の活用や、受益者負担で教員から部屋代を集める「スペースチャージ」も進む。
文科省の有識者会議はこのほど、第5次の計画に向けた「今後の国立大学法人等施設整備に関わる方向性」をまとめた。ここで打ち出したのは共創だ。イメージするのは地域産業を担う人材育成や、産学共同研究の施設再生の後押しなどだ。イノベーション創出など大学の機能強化というソフトを、ハードの施設と連動させ、安定した施設整備につなげようとしている。
(文=山本佳世子)
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