上場企業の自社株買い、過去最高を記録した理由
自社株買いは増配などと並ぶ株主還元策の一つ。企業にとって発行済みの自社株式を市場から買い戻した場合、1株当たりの利益が改善するため、株主資本利益率(ROE)が向上するメリットがある。日本企業の収益力向上を目的として15年に、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の適用が始まり、株主や投資家への説明責任が一層求められるようになったこともあって、ここ数年、自社株買いは高い水準で推移している。
一方で直近相次いでいる自社株買いについて、大和総研の太田珠美主任研究員は、「昨秋から株式市場が軟調となったこともあり、アナウンス効果を狙ったケースも出ているのではないか」と指摘する。
現にSBGの孫正義会長兼社長は会見で「(株価が)安すぎると思う。どういう行動をするかと言えば、自社株買いをする」などと述べた。自社株買いで、割安にあることを市場に向けてアピールしつつ需給関係を改善することで、株価水準の上昇を狙う。ソニーは1000億円を上限とする自社株買いを8日に発表。同日のソニーの株価は反発し、終値は前日比で約4%上昇して取引を終えた。
18年度通期見通しは製造業を中心に下方修正が目立ち「慎重な姿勢」(いちよし証券投資情報部の及川敬司銘柄情報課課長)が見て取れる。株価の重しがとれそうにない基調が続けば自社株買いはさらに広がりそうだ。
