一昔前のモデルブームと違い、今は身近な存在の読者モデルがもてはやされる時代に。しかし、その代償は大きく彼女たちを取り囲む闇は深い。

労働時間に対して低すぎる給与、読者モデル自体の供給過多による失われていくポジション、意外なほど少ない職場外での男性との出会い。

これまで“うさぎ・トラップ”に泣かされたまさみ、インスタ地獄にはまる沙希を紹介したが、今回は読者モデルのギャラ事情について。


5,000円のギャラで失った信頼


有名読者モデルがテレビでも暴露していたが、この仕事の給与の低さは異常だ。一日拘束される撮影でギャラは3,000円。そして撮影用に購入した服代で3万円のマイナス。出来上がったときに自分が大きく取り上げられるのは嬉しいが、常にお金がない状況に追い込まれてしまう。

今回の協力者である美和もその一人。ショートカットが似合う彼女は少し顔の疲れが気になった。20歳で上京し、現在は千葉で一人暮らしをしているが、家賃の低さで選んだため東京に出るのも一苦労。たまにであれば片道1時間も気にならないが、ほぼ毎日となると疲労は募っていく。さらに早朝からの撮影となれば家を5時には出ないといけない。読者モデルは私服撮影が基本なので、前日の準備に時間がかかり睡眠不足で臨むということある。

「一度、ヘア企画の撮影で寝坊してしまったことがあって……。しかも広告のお仕事だったので、そのときは終わったと思いました」

7時集合にも関わらず、美和が気づいたときは8時。スマホには編集担当、サロンから鬼のような着信があった。半泣きで現場に着いたときは2時間の遅刻。都内に住んでいればタクシーを飛ばして、なんていうことができるが今の住まいではそのタクシー代ですら払えない。美和は電車の中で早く着いて!と祈ることしかできなかった。

現場は冷め切った状態で、いざ撮影となっても顔は引きつりっぱなし。いい写真が撮れるわけもなく、出来上がりの自分は最悪だったという。迷惑をかけてしまったことと、遅れを取り戻さなければと思えば思うほど表情が固くなっていく。自業自得だがこの後、この編集担当からの仕事は一切なくなった。

ちなみにこのときのギャラは5,000円。往復の電車代で約2,000円がかかり、駅から撮影現場までのタクシー代で1,000円。私服の購入金額は1万円近くだったので、大きな赤字だ。

そしてこの赤字を埋めるべく美和は普段、イベントコンパニオンのバイトを単発でしている。一回で1万円近くのお給料が貰えるので、読者モデルの仕事が無いときはなるべく仕事に入るようにして生計を立てる。それでも月15円万近くしか稼ぐことはできず、家賃、生活費に半分が消えてしまえば残りはあっという間。

毎月の服、メイク用品、エステとあれもこれもとなればきりがない。そこそこ名のしれた読者モデルならば、ブランドから「新商品のPRをしてほしい」と買うと何万円もする化粧品が送られてくる。

エステだって「体験してほしい」と誘いがくる。そこまで登りつめるまではあと何年かかるのだろうか。しかし、自分と同じような仕事しかしていなくても、優雅な生活を送っている子がいるという。


日給3,000円に見合わない、カルティエの腕時計と10万円の服を身につける読モ


背後に感じる“パパ”のバックアップ


「撮影でよく一緒になるモデル仲間に“千香”って子がいるんです。私たちの中ではその子の私服がすごいと話題になっていて」

もらっている仕事の量は同じなのに、着ている服は桁違いという千香。腕時計は40万円近くするカルティエで、服はトップスだけでも10万円近くするハイブランドをいつも身にまとっている。

ギャラのでないスナップ撮影では、なるべく手持ちのアイテムで新しい服を買わないように抑えている美和と違い、千香は平気で新作を着て現場に来るのだ。月3~5万円程度しか稼げない読者モデルのギャラでは、到底買うことのできない代物。しかし千香は決して無理をしているわけではないし、大学生が本業のため他の仕事をしている様子もない。

都内の実家暮らしとはいえ、それだけでお金に余裕がでるはずもないのだ。そして彼女のSNSにはいつも、高級レストランやひとり3万円以上する鮨など、20歳近くで行けるとは思えないお店の写真がアップされている。しかもそういった写真に写っているのは、いつも千香ひとりだけ。

「どうやら千香にはひと回り以上、年上の彼氏がいるんです。しかも相手は既婚者。その人から毎月お小遣いを貰えているみたいで……」

金額は決まっていないが欲しいものがあればお小遣いとは別で買ってもらい、週に3回は美味しいものを食べさせてもらう。恋人同士ならばウィンウィンといった関係。


生まれたときからのスペックが違う


さらに千香の父親は経営者で、実家はそこそこのお金持ち。パパを作らなくても裕福な生活は送れるのだ。田舎で生まれ、ごく普通の家庭で育ち、県立の学校に進んだ美和とは生まれたときからスペックが違う。最初から恵まれている子には到底敵うことはできない。

親からの仕送りもなく、身を削って稼いでいる美和にはこうやって割り切れる子が羨ましい。

「正直、こんな生活を続けるなら私も“パパ”を作ろうかなって考えています」

実は美和には前々から“恋人”のオファーがある。読者モデルの子に誘われて行ったホームパーティでその人と知り合い、何度か食事に誘われた。正直見た目はタイプではないし、できることなら付き合いたくない相手だが、マンションと毎月のお小遣いを支払うと言われ、気持ちが揺らいでいる。体の関係はまだないが、承諾すれば恋人として寝ることになるだろう。

友達にはもちろん、親にだって紹介することのできない相手。東京でこんなことをしていると知れば母親を泣かせることになる。しかし、そんなリスクを背負ってでもこの業界にいたい。そうさせるのは何なのだろうか。

まだ21歳だしやり直しもきくと思う、という美和にかける言葉が見つからない。つかの間の華やかな世界となんとも言えない自己満足は、ここまでひとりの女性を狂わせる。給与が見合わない分、肩書を削って生きていくことに美和はどんどん麻痺していくのだろう。

<これまでの読者モデルの闇>
vol.1:所属事務所の社長が仕掛ける、“うさぎ・トラップ”に泣かされる
vol.2:やめられないインスタ地獄。いいね!に翻弄されて睡眠不足