5月からスマホもはケータイも契約から8日以内は解約可能? ! 「初期契約解除制度」メリットとの注意点

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スマホやガラケーなど携帯電話は「解約」のトラブルや悩みが意外に多い。
「電波が届かない」「契約時のハナシと違う」など、解約する理由はいろいろある。
しかし、現在の契約では、解約金や2年縛りなど、解約するにはいろいろ制約があるため、店舗とトラブルに発展する場合もある。

その問題を解決するよう、政府は今年5月より、契約から8日以内には解約できる法律を施行する。

●「初期契約解除制度」は5月21日スタート
携帯電話契約や光インターネット契約時のトラブルが多いことに対して、2016年5月21日より「電気通信事業法等の一部を改正する法律」をスタートする。
具体的には、
・高齢者などへ丁寧な説明を義務付ける
・2年縛りなどの自動更新時期を事前通知する義務
・通信サービスの料金内訳や支払い時期などの書面記載を義務付け
・複雑な料金制度を図で示すことを義務付け
・有料オプションサービスに対して名称や料金、解約条件の義務付け
・初期契約解除制度の導入

といったものだ。

これを、大きく分けると
・丁寧な説明の義務
・契約書面の提示
・初期契約解除制度

というものになる。

特に、「初期契約解除制度」は万が一トラブルになった場合に、消費者側から解約を申し入れられる制度となっており、実質的にクーリングオフに近い制度とも受け取れる。

●なんでもかんでも解約できるわけではない
それでは、5月21日以降、契約したスマホが気に入らなければ解約できるかというと、そういうわけではない。
法改正の概要には
「利用者は、契約締結書面受領後等から8日間は、相手方(電気通信事業者)の合意なく契約解除できる。また、本初期契約解除制度の規定に反する特約は無効とする。」

とされている。

実際には、いくつかの注意点が存在するのだ。

・契約(サービス開始)より、解約できるのは8日間
・電波状況が悪いなど、利用状況が十分でない場合に解約できる
・契約書類が無いなど説明が不十分な場合は解約できる
・説明に虚偽や不十分などがあった場合に解約できる
・解約までに発生した利用料金や手数料は支払う必要がある

と、されている。

つまり、購入したスマホが気に入らないなどの理由では解約できないので注意が必要だ。
あくまでも、
・使いたいが使えない状況
・説明が不十分など契約時の不備
に対する救済処置なのだ。
また、プリペイドケータイは対象外となっている。

したがって、訪問販売などで適用されている「クーリングオフ」とは同じではない。
このことを理解しておくべきだ。

●今夏は契約に関わる時間が長くなる傾向へ
5月の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」施行によって、ケータイ販売の現場は大きく様変わりすると言っても過言ではない。
説明不十分などの理由で、解約が連続してしまったらケータイショップもキャリアもたまったものではない。

そのため、これまで以上に時間をかけて、慎重な説明と確認を購入者にしてくると予想される。
説明が丁寧になることは歓迎だが、購入者へのオプションサービスや免責の確認や同意も細々とする可能性も高い。
こうした対応により、窓口での契約時間は今まで以上に長くなる可能性が出てくる。

5月以降は、じゅうにぶんに時間を確保したうえで、ケータイを買いに行くと良さそうだ。

電気通信事業法改正に伴う消費者保護ルールの整備等について(PDF)|総務省


布施 繁樹