友達が困っていたら、どこまで助けるべきか
■ボケた後の反応で深刻さを見極めよ
助ける助けないは、相手によります。僕がこいつなら助けたいと思うのは、トラブルを抱えてもギリギリまで自分でふんばろうとする人。逆に何かあるとすぐ頼ろうとするヤツには、「もうちょっとガマンせえや」と思ってしまって、なかなか手を差し伸べられない。たとえば『ドラえもん』に出てくるのび太。たぶんドラえもんも辛抱してるんじゃないですか。
でものび太の場合、最後はなんとなく助けてあげようと思ってしまうかもしれません。というのはのび太に悪気がないから。アホにも善良で憎めないアホと、優しくしたらすぐつけこむアホの2種類があって、のび太は前者なんです。でも後者は、「あいつに助けを求めたらなんとかしてくれるで。楽勝やわ〜」ってよそで吹聴してたりするから始末が悪い。
僕、そういう腹黒いヤツに対するアンテナが立っていて、「こいつ、なんかちゃうな……」といち早く感じてしまうんです。その直感が間違ってないかを確かめたいときは、周りに「あいつってどんなヤツなん?」と素行調査してみる。一番人間性がわかるのは、そいつのすぐ下のポジションにいる後輩の意見。どんなによそでいい顔していても、後輩に対して優しくできない人は、人間性に問題のあることが多いから、助けずに距離を置いたほうがいいでしょうね。
それと、本当に困っているかどうかを見極めることも、助ける助けないを決めるうえで大事な材料になります。参考になるのは、その人をいじってみたときのリアクション。たとえば「お金を貸してくれないか」と相談されて、「よしわかった! 貸したるわ10円」とボケたとき、まだ余裕あるヤツは「いやいや、10円かい!」と返すと思うんですけど、本当に困っていたら「ありがとう、助かるわ」と感謝するんじゃないですか。どんな冗談で返しても全く笑わず、ただただ「うん……」とうなだれているようであれば事態はかなり深刻なはず。そこまで大変なら、助ける手立てを考えてあげるべきだと思います。
そもそも、友達の定義って人によってぜんぜん違いますよね。女の子はすぐ「あの子、友達やねん」と言いたがるし、最近だとSNSで簡単に「友達」になる風潮がある。でも、あれって友達という言葉の使い方が軽くないですか? TwitterやFacebookでつながっていたり、メールアドレス知ってるだけの関係の人を、少なくとも僕は友達とは呼びません。
僕の定義では、伝記を一冊書けるぐらい、性格も人生も濃く知っているのが親友です。友達は語れる分量がペラ1枚。知り合いは3行で終わりですね。
ハードルを高く設定しているので、親友と呼べるのは4人しかいません。ただ、何年間か連絡が途絶えていたとしても、何かあったときはお互いに助けてあげられると思える関係です。犯罪に加担したり、体にメスを入れたり、マフィアの事務所から手をつけてはいけないアタッシェケースを持ち出して、「かくまってくれ」と頼まれたりしないかぎりは。もし「金貸してくれ」と頭を下げられたら、自分の出せる最大限を渡すでしょうね。返ってこなくていいとまでは言いませんが、今すぐに返せとは思いません。
友達は15人ぐらい。お金だったら、頼まれれば10万円は貸します。悩み相談くらいなら、全力で乗ってあげますよ。
知り合いは仕事関係抜きにして1000人ぐらいいて、ここに関しては何の信用もない。でも3000円は貸すかな。ケチると裏で何か言われそうなので。
助けるべきか迷っているのなら、まずは人間関係を整理してみてはいかがでしょう。「親友」や「友達」といえる人には、力を尽くして助けてあげればいい。見返りを当てにしてはダメですが、いいことがありますよ、きっと。
もし僕が相方に「助けて」と言われたら? 相方は親友とも友達とも知り合いとも違う、また特別な存在ですからね……。もちろん助けます。お金なら3万円までは貸しますよ!
※すべて雑誌掲載当時
----------
高橋茂雄
1994年よりお笑いコンビ「サバンナ」を結成。「太鼓持ち芸人」として知られ、テレビや劇場を中心に活躍中。
----------
(お笑い芸人 高橋茂雄(サバンナ) 構成=鈴木工 撮影=キッチンミノル)
