日本は「従来の常識」を破れるか 韓国の運命を変えた“3分間の給水ルール” 仏監督からは「流れは断ち切られる」と疑問視【W杯】

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試合中に3分間の休憩時間が与えられる今までにないルールとなっている「ハイドレーションブレイク」(C)Getty Images

 現地時間6月11日、メキシコのアステカスタジアムで行われたメキシコ代表と南アフリカ代表の試合で北中米ワールドカップ(W杯)が開幕した。史上最多48か国が参戦する激闘の日々がついに始まった。

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 今大会も開幕前から様々なトピックが話題となっている中で、試合の行方を左右する“あるルール”の導入は、各試合でも注目を集めた。それは「ハイドレーションブレイク」と呼ばれる、いわゆる給水時間だ。

 ルールそのものは至ってシンプルだ。各ハーフの約半分となる22分前後に主審が試合を止め、選手が3分間で水分補給や短い休息を得るというもの。導入を決めた国際サッカー連盟(FIFA)は、酷暑や高地での環境対策に加え、各国のスポーツ中継中にCMを打てる広告枠としても「画期的である」と判断した。

 もっとも、利用方法は単なる“ブレイク”に留まらない。すでにいくつもの試合で見られている通り、監督やコーチ陣が細かな戦術的な指示を選手に与えることも可能となった。これによって、休憩後の展開を変える可能性もはらんでいる。

 実際、現場からは「サッカーが変わる」という見解が示されている。フランス代表を率いる名将ディディエ・デシャンは、地元ラジオ局『RMC Sport』において「サッカーは、伝統的なセカンドハーフ制ではなくなった。4クォーター制になった」と指摘。試合の流れを左右する可能性に不安を口にした。

「自分のチームが勢いに乗っている時や、相手が勢いに乗っている時に、3分間もタイムアウトがあれば、流れは完全に断ち切られる。もちろん、調子が悪い時には役に立つかもしれないが、相手の守備を崩しかけている時には必要がない」

 現地時間6月11日にチェコ代表に2-1で競り勝った韓国代表は、まさに運命を変えられていた。1-1で迎えた後半のハイドレーションブレイクで「ポジション守りながらボールを失うな」(ホン・ミョンボ監督談)と指示されたイレブンは、79分にオ・ヒョンギュのゴールで逆転。白星スタートのキッカケは、新ルールによってもたらされた流れだった。

 この展開を目の当たりにした韓国日刊紙『ソウル新聞』は「戦術を素早く修正でき、競争力を引き上げられるという点では肯定的に評価される」とした上で、既存のサッカー観を崩す新ルールへの適応がいかに難しいかを論じた。

「チェコも韓国もハイドレーションブレイク後に明らかに動きが変わった。間違いなく従来のサッカーの“常識”や“秩序”を覆しているだけに、まだ多くの適応と議論が必要と思われる。一部からは、事実上4クォーター制にしたことがサッカーにふさわしいのかという指摘も出ているのは事実だ」

 すでに反響を及ぼしている新ルールは、現地時間6月14日にオランダ代表との初戦に臨む日本代表にとっても、確実に影響を与える要素。その時にチーム全体でどれだけ試合にコミットできるかも含めて総合力が問われそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]