【解説】フィリピン付近地震で静岡沿岸など津波注意報が発表され約8時間後に全解除…各地状況や防災上注意点など専門家が詳しく
(フィリピン・ミンダナオ島)
6月8日、午前8時半ごろ、フィリピン付近でマグニチュード8.2の地震が発生。
震源に近いフィリピンのミンダナオ島では、小学校の校庭で式典が行われているさなかに大きな揺れが発生し、屋根が倒壊する瞬間が捉えられています。
AFP通信によりますと、この地震の影響でフィリピンで多くの建物が倒壊し、死者やけが人が複数出ているということです。
(記者)
「今、防災無線で避難が呼びかけられています」
この地震で、太平洋沿岸に「津波注意報」が発表されました。
静岡県内で予想された津波の高さは最大1メートル。
沼津市や富士市・松崎町の一部では、海岸や河口付近にいる人に対して「避難指示」が出されたほか、下田市や西伊豆町、南伊豆町、河津町などで自主避難所が開設されました。
「高齢者等避難」が出された下田市では、高台にある「下田市民スポーツセンター」を自主避難所として開設。昼ごろ、デイサービスの利用者らが避難しました。
(スタッフ)
「家に帰してもなかなか自身で生活が難しい場合もあるだろうし、津波の浸水が心配な人を、ちょうど職員が迎えにいっている時だったので、うち自体が津波浸水想定区域なので」
スタッフとともに避難した人は…。
(避難した人)
「安心ですね。特別大変だっていうことはないけど、心だけはきちっとしておかないとね」
午後1時半から会見を開いた気象庁は…。
(気象庁の担当者)
「津波注意報は茨城県から沖縄県にかけての太平洋沿岸と伊豆諸島、小笠原諸島に発表を継続しております。現在津波を観測しております。海の中や海岸から離れていただきますようお願いいたします」
フィリピン付近での地震は過去にも…。
2023年12月にフィリピン付近で起きたマグニチュード7.6の地震では、八丈島で40センチの津波を観測。県内でも10センチの津波が観測されました。
今回の津波は、当初想定されたよりも高くなっていないといいます。
(気象庁の担当者)
「当初津波注意報で発表したほど高い津波にはなっていない。3年前のフィリピン付近で発生した地震の時には、津波注意報から解除まで9時間程度と申し上げましたが、それより若干短くなるということも考えている」
「避難指示」が出された沼津市では。
(記者)
「沼津市の沿岸にも津波注意報が出たということで、こちらの市の危機管理課では情報収集を行っています」
職員らが情報収集に追われていました。
静岡県庁でも…。
(記者)
「津波注意報を受けて、県庁では職員が情報収集をしています」
職員らが各地の情報取集を行う様子がみられました。
静岡県内への津波の到達予想時刻、午後1時には…。
(永見 佳織 アナウンサー)
「清水港の海面の変化、上空からは確認できません。潮位の変化を上空からは確認できません。沼津港にある大型水門『びゅうお』、津波対策により閉鎖しています。画面中央、『陸こう』と呼ばれるいわゆる海水の進入を防ぐためのゲート、こちらも閉鎖されています。清水と土肥を結ぶ『駿河湾フェリー』、津波注意報の発表により2便、3便は欠航となっています。その『駿河湾フェリー』の様子を確認しました。少し違った場所を『港外退避』ということでしょうか」
津波は、午後2時前に父島二見で20センチなどを観測。
一方、沼津市内浦では、潮位計の障害により津波の高さのデータが確認できていません。
(気象庁の担当者)「津波の計測ができない状況となっております。今回の津波とは関係ないもので機器障害等の疑いをもっている」
静岡県によりますと、これまでに津波による被害の情報はないということです。
(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
お伝えしていますように現地では大きな被害が出ています。現在も県内には津波注意報が発表されています(※この直後の午後4時50分に解除)。鳥海さん、けさは驚きましたね。
(コメンテーター 航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗 氏)
そうですね、私、東京都内にいまして…、東京はスマートフォンのアラームが鳴ることはなかったんですが、そういったところで…今すべて解除というのが出ておりますけど…。今回マグニチュード8.2ということで、かなり大きな地震。フィリピンの中の影響というのが心配かなと思いますが…津波注意報が広範囲に出たなというのが、その大きさを物語っているかなというふうに思いますね。
(澤井 志帆 アナウンサー)
そうですね。今、最新情報が出ました。静岡県内に発表されていた津波注意報を含め、津波注意報はすべて解除されました。津波注意報はすべて解除されました。
改めてお伝えしていきます。ここからは地震のメカニズムに詳しい、常葉大学静岡草薙キャンパス副学長で津波工学や防災情報が専門の阿部 郁男 教授にお聞きしていきたいと思います。よろしくお願いします。改めまして、今回の地震、震源はフィリピンのミンダナオ島付近でマグニチュードは8.2となっています。阿部さん、今回の地震のメカニズム、そしてマグニチュード地震の規模に対してはどうお考えになりますか?
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
フィリピンという場所が私たちの日本と同じように、いろいろなプレートが複雑にぶつかり合っている場所になります。そこで、プレートのぶつかり合いによって、マグニチュード8を超えるような巨大な地震が起きてしまったと。それが海のそばで発生したものですから、今回、津波の発生が心配されて津波注意報が出たという形になるかと思います。
(澤井 志帆 アナウンサー)
今後、らに大きな地震というのが起きる可能性はあるのでしょうか?
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
マグニチュード8の地震の後に、それよりも大きな地震が発生するということは否定するような根拠はございませんので、そういったこともあろうかな…というふうに思いますけども、基本的に津波の対応というのは海外で起きた場合には、途中の津波の状況を見ていただければ十分わかるかなというふうに思います。
(澤井 志帆 アナウンサー)
なるほど。きょう8時半過ぎに地震が発生してから、静岡県内を含む太平洋沿岸ではこのようになっています。画面変わりますでしょうか…。父島二見で20センチの津波。串本町袋港で20センチの津波などが観測されています。この20センチの津波というのも…大人が流されてしまうというデータも見たことがあるんですけれども、油断できないんですよね。
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
津波の高さが20センチを超えてきますと、いろいろな被害が発生し始める頃の高さであるというふうなことが、過去のいろいろな実験であるとか災害から分かっておりますので、それで20センチを超えたら津波注意報というふうなものが出されるというふうに思っていただければな…というふうに思います。
(澤井 志帆 アナウンサー)
今回のように、揺れていないのに、こういった津波ということを言われると…ついつい油断してしまうということがあるかもしれないんですけれども…、どういったところに注意すればよろしいんでしょうか?
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
今回のように海外で発生したものは、途中で津波の観測網というのが世界中にありますので、そういったところの観測データを見ていただければ、静岡にどのくらいの津波が来るんだよ…というのが分かるかなと思います。
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
遠方の地震での日本の津波というと…1960年の「チリ津波」ですかね。日本でも、静岡県内でも、結構、被害が出たと思うんですが…、
今はやっぱり状況が変わってきているということなんでしょうかね?
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
その当時はなかったのですけれど、今、世界中で津波の観測というのが行われていて、それを実は我々リアルタイムで見ることができるんですね。インターネットさえあれば、それを見ていただければ、だんだん津波が伝わってきているのが分かりますので、それで、静岡にどのくらいの津波が来そうだというのを、あらかじめ知ることができるかなというふうに思います。
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
津波注意報…解除されましたが、今の教授の話ですと…また同じような場所ですぐに地震が起こるかもしれないし、そうすると、また注意報が出るかもしれませんけども…その時も冷静に対応すべきということでしょうかね?
(常葉大学 副学長 津波工学専門 阿部 郁男 教授)
そうですね。遠くで起きた地震の場合は津波が来るまで時間がありますので…、その時間を使っていただいて冷静に対応していただく。これが大事になるんじゃないかなというふうに思います。
(澤井 志帆 アナウンサー)
日頃から、地震や津波に対する備えをしっかりとしていきたいなと思います。
