5回、先制打を放つ立石(撮影・飯室逸平)

写真拡大

 「阪神1−0楽天」(6日、甲子園球場)

 初めて上がった甲子園のお立ち台で、笑顔が輝いた。ドラフト1位・立石正広内野手(22)=創価大=が両軍無得点の五回に、甲子園では自身初のV打となる左前適時打を放ち、5月30日以来となる首位浮上の勝利を呼び込んだ。2カードぶりの勝ち越しも決め、この勢いで3連戦3連勝を目指す。

  ◇  ◇

 アマチュア野球担当だった24年6月。大学日本代表の選考合宿を取材中、ある選手が目についた。すさまじいスイングスピードに、強烈な打球音。素人目に見ても、そのすごみが伝わってきた選手こそ、創価大3年時の立石だった。

 大学侍ジャパンに選ばれた「当時のドラフト候補」たちも証言してくれた。この年、ドラフト2位で西武へ入団した渡部(大商大4年)に同学年選手について話を聞いていると、「でも…3年生の立石がめちゃくちゃ良かったです。年下というのもあって負けてられない」と自ら後輩の名前を挙げた。置きティー打撃でスイングスピードを計測した際は「立石が一番良い数字出してたんです。だから『それ抜きます』って入って、本当にギリギリ抜けました(笑)」と渡部。翌年、新人ながら12本塁打を記録することとなる先輩も強烈に意識する存在だった。

 同年にロッテ1位で入団した西川(青学大4年)も「初めて生で見たのが松山合宿(西川が3年、立石が2年の冬)で。打球の速さ、飛距離、逆方向に飛ばす力…1個下とは思えなくて本当に驚きました」と回顧。後に新人王に輝く先輩も一目置いていた。大学ナンバーワンの触れ込みはだてじゃない。聖地に刻んだ勝利の一撃。そのバットで、規格外の物語を紡いでいく。(デイリースポーツ・間宮涼)