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名古屋市南区で2人が死亡し、85歳の運転手が逮捕されたマイクロバスのひき逃げ事件。事故直前のバスに不自然な動きが。

【写真を見る】2人死亡 マイクロバスひき逃げ事件 直前に約150メートルを15分かけて進む 85歳運転手に何が? 蛇行しながら男性を引きずったか

(田中希宜記者)
「事故から3日が経過し、現場には多くの花や飲み物が供えられています」

けさ、事故が起きた現場では朝から花を手向ける人の姿がありました。

36歳女性と35歳男性が亡くなる

事件が起きたのは5月29日午後5時半ごろ、南区寺崎町の交差点でスイミングスクールの送迎バスが、横断歩道を渡っていた男女2人をはねました。

この事故で大石有記さん36歳と、田中新さん35歳が亡くなりました。

警察はマイクロバスを運転していた名古屋市中川区に住む、酒井照也容疑者85歳を、過失運転致死やひき逃げなどの疑いで逮捕。

調べに対し酒井容疑者は容疑を認めているということです。

事故後 約300メートル離れた住宅にぶつかって停車

(下和田 歩記者)
「マイクロバスが警察署に運び込まれます。前方部分かなりの損傷が見られます」

前方が大きく損傷したマイクロバス。バスは、2人をはねた後、道路標識をなぎ倒し、現場から約300メートル離れた住宅にぶつかって停車していました。

(近隣住民)
「家に戻ってきたら家の前にパトカーが止まっていていて(室内は壁にヒビが入る)こんな状態」

取材を進めて見えてきたのは、不自然とも言えるバスの動きです。

「止まってください」無線の呼びかけにハッキリとした応対なし

スイミングスクールによりますと、バスはスクールに通う子どもを迎えに行くため、午後5時7分に出発。その後、踏切で停車しましたが、マイクロバスは電車が通過したあと遮断機を押すように踏切内に進入したと、後ろを走っていた乗用車から情報が寄せられたということです。

「酒井さん大丈夫ですか?止まってください」…スクールの職員が運転を中止するよう複数回にわたり無線で連絡しましたが、酒井容疑者からはハッキリとした応対がありませんでした。

その後、バスは交差点までの約150メートルを15分かけて進み交差点へ。進んだり停まったりを繰り返していたとみられます。捜査関係者によりますとバスは30キロに満たない速度で交差点に進入。信号は赤だったということです。また、死亡した男性は現場から離れた場所で倒れていて、事故後、バスが蛇行しながら男性を引きずったとみられます。

亡くなった女性はダンススクールで人気の先生

亡くなった大石有記さんは、ダンススクールで人気の先生だったといいます。

(子どもを通わせる保護者)
「先生(大石さん)のところにみんなが集まっていくような、すごく慕われていて、たくさん生徒がいる中で『もう名前を覚えて呼んでくれた』と、子どもが本当にうれしそうに報告してくれた」

(教え子)
「とにかく明るくて毎回笑顔で接してくれて、相談をしてもちゃんと寄り添って答えてくれる優しい先生でした」
(教え子)
「突然のことだったので、自分自身もあまり信じられない。心の整理がつかなくて悔しい気持ちでいっぱい」

(田中記者 1日午前10時ごろ)
「午前10時です。愛知県警の捜査員が名古屋スイミングクラブに入っていきます」

愛知県警はきょう、スイミングスクールや酒井容疑者の自宅に家宅捜索に入りました。

容疑者は親しい人に…「なかなか辞められない」

スイミングスクールによりますと、酒井容疑者は60歳を超えてから嘱託社員として20年ほど勤務したあと、体調面を理由に退職。しかし運転手の人手不足を理由に週5日、1日3~4時間のパートで仕事に復帰していました。

事故を起こした日は午後3時過ぎから送迎のため運転をしていて、事故を起こす前の2回は問題はなく、健康状態にも異常はなかったということです。

一方で親しい人には「なかなか辞められない、運転手がいない」と漏らしていました。捜査関係者によりますと、酒井容疑者に人をはねた認識はあったということで、警察が動機などを詳しく調べています。