海なし県でもおいしく?……“国産養殖サーモン”国が熱視線のワケ 農水相「世界をとれる」「わくわくする」【なるほどッ!】
海水温の上昇で漁業も変化を迫られる中、国産の養殖サーモンが注目されています。大手水産会社が本格参入するほか、飲食店やスーパーも盛り上げに一役買っています。国も事業の成長性に期待。輸入サーモンとは違った魅力や可能性を取材しました。
■「とる漁業から育てる漁業へ」

森圭介アナウンサー
「大手水産会社のニッスイが27日、国産の養殖サーモン事業についての説明会を行いました。『世界的に養殖の生産量は増えています。中でもサーモンは世界的に需要が拡大している注目分野なんです』と紹介されました」
「4月からニッスイのグループ会社が社名を変更。その名も株式会社ニッスイサーモンという会社が生まれました。自社が持っている国内5か所のいけすを、すべてニッスイサーモンという名前に統一し、サーモンブランドとしてつくったということです」
「中小規模の養殖事業者とも連携しながら、国産の養殖産業を拡大していきたいそうです。その背景にあるのは、最近の漁業が海水温の上昇の影響を受けていることがあり、ニッスイは『とる漁業から育てる漁業への転換だ』と話しています」
■回転寿司の人気ネタ、15年連続1位

忽滑谷こころアナウンサー
「(サーモンは)大好きです。お寿司(すし)屋さんに行ったら必ず最初に頼みますし、他にもいろんな料理のパターンがあるので、お役立ち食材と言いますか、大好きな食材の1つです」
直川貴博アナウンサー
「私はムニエル派です」
森アナウンサー
「サーモンといえばお寿司を思い浮かべる方も多いんじゃないでしょうか。大手食品会社Umios(旧マルハニチロ)の調査では、回転寿司でよく食べるネタで15年連続の1位がサーモンです」
鈴江奈々アナウンサー
「子どもが回転寿司などに行っても、食べられるネタは限られています。サーモンは間違いないです。大好き」
■青森産生サーモンのフェアを開催

森アナウンサー
「回転寿司業界も、国産の養殖サーモンを広めようと働きかけています。27日、大手回転寿司チェーンのスシローを取材しました。スシローはまさに今、養殖サーモンを打ち出しています。青森産生サーモンのフェアを開催しています(31日まで)」
「生サーモン・漬け生サーモン・炙り生サーモンの3種類で、110円から(店舗によって異なる)というお手頃価格だそうです。青森の大自然で養殖され、一度も冷凍されずに生のまま店舗に届きます。養殖サーモンは鮮度も売りだということです」
■「味が全然違う」「ほどよい脂加減」

森アナウンサー
「東京・墨田区にある浅草吾妻橋店では、実際に食べているお客さんがたくさんいらっしゃいました」
20代
「おいしいです」
70代
「(国産養殖サーモンは)とろける感じがする。こっちの方が。こっちの方がやわらかいし、味が全然違いますね」
50代
「私くらいの年代だとちょうどいい。ほどよい脂加減でおいしい」
30代
「味がすごく濃かったです。普段はノルウェー産とかを家で買って食べるので、(国産を)気軽に食べられるのはうれしいなと思います」
■回転寿司、鮮魚店…広がる国産養殖

森アナウンサー
「ノルウェー産のイメージがある方は多いと思いますが、養殖だと国産なので、冷凍させずに生のまま届くということです」
「5月、養殖のサーモンを推している鮮魚スーパーがありました。鮮魚専門店の角上魚類では、期間限定『佐渡サーモンフェア』の特設コーナーがあります。お刺身はもちろん、お総菜も非常に評判です。揚げたてのサーモンフライや南蛮漬けなど、サーモンづくしです」
「いろんな料理方法があるのがサーモンの良さでもあります」
■佐渡沖の養殖場でのびのびと育つ

森アナウンサー
「角上魚類が仕入れているのは、新潟県佐渡島で育った国産の養殖サーモン『活〆佐渡サーモン』。いけすの中で、元気にサーモンが泳いでいます。日本海・佐渡沖の養殖場でのびのびと育っています」
「角上魚類の担当者によると、今シーズンは魚体が大きく、脂もしっかりとのっているそうです」
■鈴木農水相「未来が明るい」

山粼誠アナウンサー
「他にも信州サーモンなど、ご当地のサーモンが出てきています。それぞれの食べ比べなどができたら楽しいなと思います」
森アナウンサー
「今、日本各地でサーモンが名産になりつつあります。企業はもちろん、国も養殖のサーモンを高く評価しているからです。25日、鈴木農林水産大臣が千葉県富津市にある陸上の養殖の施設を視察。『想像より全然大きい。びっくりしました』と話しました」
鈴木大臣
「なんだかとても未来が明るいんじゃないかという気持ちになって、わくわくすることができました。陸上養殖、私たちの国が世界をとれる分野の間違いなく一つであると思います」
■国産養殖サーモン、なぜ評価?

森アナウンサー
「陸上養殖にすると海がなくても育てられ、ご当地サーモンとして出すことができるわけです。では、なぜ国も企業もここまで国産の養殖サーモンを評価しているのか。そこには理由がありました」
「水産庁によると、海や川ではなく水槽などで育てる陸上養殖のサーモンというのはエサが少なくても効率よく育つといいます。コストパフォーマンスがいい、効率よく稼ぐことができるのかもしれません」
「さらに、比較的小さな水槽でも育てやすいということです。陸上養殖の規模を他の魚よりも大きくすることができます。可能性を感じますよね」
鈴江アナウンサー
「サーモン自体は結構大きいので、小さな水槽でも育てやすいとなると、小規模からでもスタートできるということになりますよね」
森アナウンサー
「陸上養殖ができるのであれば、海がない自治体でも作ることはできるということになります。水産物の流通に詳しい三重大学大学院生物資源学研究科の常清秀教授に、各所の養殖サーモン押しで今後、私たちの生活にどんな期待が持てるのか聞きました」
「日本ではサーモンは非常に人気が高い。ただ、日本国内で消費されているサーモンのほとんどは輸入サーモンです。そうなると為替、円安などの影響で価格が上がっています」
「ただ、国産で養殖することを軌道に乗せることができれば、為替は関係なくなります。国際市場などの変動にまったく左右されずに安定した価格と量でサーモンが食べられることになります」
「みんな大好きなサーモンがいつものお値段でお手頃に食べられるという環境が近づいてきているということになるかもしれません。うれしい話題ですね」
忽滑谷アナウンサー
「海なし県で育てられたサーモンをいつか食べてみたいな、という気持ちもあります」
森アナウンサー
「鈴木大臣も言っていましたが、これが日本から世界に発信する一つの財産になるかもしれません」
