レクサスのSUVと金正恩氏(朝鮮中央通信)

写真拡大

中国が最近、北朝鮮に対し密輸取り締まりへの協力を要求したことがわかった。これを受け、国境地域の密輸関連業者や外貨獲得機関の間で緊張感が高まっているという。

デイリーNKの平安北道の消息筋によると、中国はトランプ米大統領の訪中(13〜15日)に先立ち、北朝鮮側に対し、中朝国境地域で行われている密輸の取り締まり・統制に協力するよう要請した。

これに伴い、北朝鮮の新義州市を活動拠点とする大小の貿易会社には「当面は問題を起こさないよう注意せよ」との内部指示が下されたという。

消息筋は「中国側は税関を通じた公式取引を増やす一方、密輸のような非公式取引への統制を強める動きを見せている」とし、「特にトランプ氏の訪中を前に協力を要請したのは、(対北)制裁を着実に履行している姿勢を示す意図もあったようだ」と語った。

さらに、「正式な協力要請まで来ている状況のため、上層部は国家的な問題につながりかねない行為を避けるよう指示している」としながらも、「現場では密輸をなくすことは現実的に容易ではないとの反応が出ている」と伝えた。

(参考記事:「気絶、失禁する人が続出」北朝鮮、軍人虐殺の生々しい場面

というのも、北朝鮮国内で必要とされる機械類、電子製品、特定産業向け資材などの多くが、中国側の通関過程で持ち出し制限を受けるケースが少なくないうえ、北朝鮮の主要な外貨獲得品目も税関経由の取引には多くの制約が存在するためだ。

このため、これまで密輸に依存してきた関連業者や外貨獲得機関の間では、「税関経由の輸出入だけでは必要な物量を確保するのは難しい」との声が上がるなど、不安が高まっているという。

特に近年、中朝国境地域では夜間監視設備の設置が拡大し、密輸自体が以前より難しくなっている状況に加え、北朝鮮内部でも自制を求める雰囲気が形成されつつあるため、関連業者や外貨獲得機関はこれを深刻な危機と受け止めているとされる。