8回、名原はソトのフライに飛び込むも捕球できず。勝ち越しの2点適時二塁打となる(撮影・北村雅宏)

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 「広島1−3ロッテ」(26日、マツダスタジアム)

 「日本生命セ・パ交流戦2026」が開幕し、広島は逆転負けで黒星発進となり、名原典彦外野手(25)は試合後に涙した。1−1の八回2死二、三塁。代打・ソトの右翼方向への飛球をモンテロ、菊池、名原が追いかけ、最後に飛びついた名原の前に白球が落ち、2者が生還した(記録は右前2点適時二塁打)。試合後、名原は目に涙を浮かべ「一番、悔しい」と唇をかんだ。この日が本拠地デビュー戦だった若鯉。悔しさを成長の糧としないわけにはいかない。

 試合後のベンチ裏。名原は数十秒の沈黙の後、必死に言葉を絞り出した。「(野球人生の中で)一番、悔しいです」。目には、涙がたまっていた。一瞬の迷いが、逆転での黒星につながった。

 1点を失い、1−1で迎えた八回2死二、三塁だ。代打・ソトが放った打球は、右翼方向に高く上がった。二塁手・菊池、一塁手・モンテロが背走。右翼手・名原も前進した。誰が捕球をするのか。白球は最後、左手を伸ばして飛びついた名原の前で弾んだ(記録は右前2点適時二塁打)。その間に2者が本塁を駆け抜けた。

 「二塁が菊池さんで守備範囲が広い。声を出せずに、菊池さんの場所を見てしまっていたから、一つ遅くなった」

 この日、支配下登録後、初めて92の背番号をつけてグラウンドに立った。本拠地デビュー戦。しかも、飛球は八回が初めてだった。終盤の緊張感が高まる場面でもあった。冷静になれず、声を出せなかったことも捕球できなかった原因の一つとした。

 ベンチに戻ると赤松守備走塁コーチと話し込んだ。九回、ベンチに下がっても同コーチの言葉に、熱心に耳を傾けた。

 「ああいう間の打球は外野が優先。声をしっかり出せるように。そしてしっかり捕りに行く。普通に捕りに行ったら、捕れる打球。そういう話をしてもらいました」。悔しさを胸にしまい、自分に言い聞かせるように言葉を紡いだ。

 赤松コーチは「高く上がった時は、『菊さんが来るんじゃないか』って思うんじゃなくて、まずは自分で行く。彼にはそう説明しました。この経験を絶対に生かさないといけない」と話した。

 21日に支配下登録された。22日からの中日3連戦では、プロ初安打初打点を含め3試合連続複数安打を記録。24日は右翼への邪飛を、フェンスに激突しながら捕球する好守もあった。

 勝利だけを求められる1軍の舞台。地元で味わった悔しさを、必ず生かす決意だ。

 「特に僕は、足と守備が売り。ああいうプレーをしてしまうと、チームが負けてしまう。次がもしあれば、この反省を生かしていきたい。同じ失敗はもう二度としない」

 この夜に流した涙で、名原はもっと強くなる。