日テレ・福田博之社長らが京都男児遺棄事件の過剰報道との指摘に言及 かつてメディアスクラムの代名詞となった事件とは
日本テレビは27日、都内の同局で定例社長会見を開催。京都男児遺棄事件の報道をめぐり、過剰報道との指摘があることに、福田博之社長らが言及した。
福田社長は、「受け止める人によって全然違うと思う。塩梅(あんばい)は難しいが、必要以上に繰り返しやっているとは思わない。考え方は常に現場に任せています」との見解を述べ、同局の取締役執行役員で報道担当の伊佐治健氏は「事件の詳細が明らかになるほど、悲惨さがクローズアップされる。私たちの使命として、この事案をしっかりと追求し、正確な情報を伝える」とコメント。
さらに、「事件の詳細があまりにも視聴者にとってもつらく悲しいことであることについては配慮もしながら対応しています。特に今回は被害を受けた被害者が小学生ということで、同世代の子どもを持つ親御さん、同世代の子どもたちにとっても非常にショッキングで心の傷になりかねない。そうしたところも事実を伝えるところは使命ではありますが、伝え方はその時々の情報で伝えています」と説明した。
また、「視聴者の方からも『興味本位で伝えているのでは』というご批判も聞きますが、詳細を伝えることで何を伝えていきたいか、事件の再発防止、こうしたことが二度と起きないための安全管理も含めて、社会がよくなる方向に私たちの取材が何らかのきっかけを与えることができればと日々議論しながらやっております」と力説した。
今回、事件の舞台となった京都府南丹市園部町はのどかな町で人口も少ない。メディアが小さな町や個人に群がる行動を「メディアスクラム」といい、報道により献花に訪れる人々がいる一方で、野次馬の餌食となった。一部報道によると、近隣住民に対して「夜中にピンポン、呼び鈴を鳴らす、などなど、さまざまなトラブルを起こしていた」という。
2006年飽きた児童連続殺害事件でもメディアスクラム
確かに報道せざるを得ない重要な事件だが、住民の気持ちを逆なでするような行為はあってはならない。かつて、親による殺害事件でメディアスクラムがおこったのは、2006年の秋田児童連続殺害事件が思い起こされる。秋田県藤里町のシングルマザーが、娘を橋から落として溺死させた事件だが当時、県警は事件性がないと判断。娘の衣服などを返還した上、近所への聞き込みもしなかったのだが、マスコミが不信感を抱き取材を開始した。すると、警察も捜査を始めたため、シングルマザーは、亡くなった娘の友人まで、近所に連れ出し殺害し、事件化に至った。
この事件について、30日のニュースサイト「現代ビジネス」(講談社)では「警察の捜査の杜撰(ずさん)さが明白になった事件で、メディアスクラムはある意味、警察の捜査を覆した効果を生んだ」と伝えている。
犯罪者をさらし者にすることはやむを得ない。だが、その影響でその家族や近所の方々に向けられる熱視線は不快極まりない。冒頭の事件は、いまだ真相が明かされず多くの謎が残されている。死体遺棄容疑での勾留期限は来月6日。府警は継父を殺人容疑で再逮捕できるだろうか。
