反町隆史

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 2024年に放送されたスペシャルドラマ『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系)から2年。伝説の教師・鬼塚英吉が、ついに連続ドラマとして帰ってくる。1998年版の放送から四半世紀を超え、50代となった反町隆史が、なぜ今再び「鬼塚英吉」として教壇に立つのかーー。そこには、テレビドラマへの深い恩返しと、時代を超えて“親子3世代”を繋ごうとする一人の俳優の熱い願いがあった。脚本・遊川和彦、演出・中島悟という98年当時のオリジナルチームが集結し、2026年の日本に放つ「グレートティーチャー」の真意とは。クランクイン前に主演の反町がその胸中を語った。

参考:反町隆史主演『GTO』が28年ぶりに連続ドラマとして復活 遊川和彦ら98年版スタッフ再集結

――2年前の『GTOリバイバル』を経て、今回の連続ドラマ化を自ら打診されたと伺いました。その決め手は何だったのでしょうか?

反町隆史(以下、反町):2024年にスペシャルをやった際、どこか自分の中で「連ドラならもっと違った打ち出し方ができるはずだ」という感覚が残っていたんです。50代の鬼塚が今の世間にどう受け入れられるかという疑問もありましたが、いざ演じてみると、鬼塚自身の根底にあるものは1998年当時と変わらずに表現できるという確信が持てました。そんなとき、友人から一枚の写真が送られてきたんです。そこには、親子3世代で『GTOリバイバル』を観てくれている光景が写っていました。「親子3世代がテレビの前にかじりつく」という光景は、僕が育った90年代には当たり前でしたが、今はなかなか見られない。『サザエさん』ぐらいですよね(笑)。それを見たとき、僕を育ててくれたテレビドラマへの恩返しとして、もう一度あの熱狂をテレビの前に戻したいと強く思った。それが今回の連ドラ化の始まりでした。

――今、なぜ鬼塚英吉という人物が必要だと感じていますか?

反町:鬼塚英吉って、ものすごく古臭い男なんですよ(笑)。でも、今の時代だからこそ、彼のような人物が必要なんです。会社にも学校にも、生徒と対等に向き合い、全力でぶつかる人間は少なくなっている。(鬼塚には)アップデートなんて必要ないんです。鬼塚が難しいことを喋り始めたら、それはもう鬼塚じゃない。過去の作品をリスペクトしつつ、「この男なら、今の学校の問題にどう向き合うか」――そこ一択で勝負したいと思っています。

――脚本の遊川和彦さん、演出の中島悟さんという98年版のスタッフが再集結します。これは反町さんの希望だったのでしょうか?

反町:連ドラをやるなら「このお二人」という思いはありました。遊川さんとも話しましたが、『GTO』の魅力は「8割はふんだんにふざけて遊ぶけれど、残りの2割で核心を突く」という絶妙なバランスにある。当時、藤沢とおるさんの原作をドラマ化する際に掲げたそのテーマを、今回も揺るぎなく貫いています。

――これから撮影に入るそうですが、若手俳優たちとの現場でのコミュニケーションについてはどのようなことを意識しようとされていますか?

反町:98年当時は僕も24歳で、生徒役のみんなと年齢も近かったんです。池内(博之)とは3つしか離れていないですから(笑)。でも今回は、リアルな高校生世代の俳優たちが集まっています。話し方や価値観に距離感があるのは当然ですし、そこはあえて紐解いていく過程を楽しみたい。最初はぎこちなくても、3カ月間、信頼関係を築いていければ。窪塚(洋介)や小栗(旬)がいまだに僕を「先生」と呼んでくれるように、今回の生徒たちからも誰かスターが生まれてくれたら、僕にとってこれ以上の幸せはありません。

――奥様であり冬月あずさ役の松嶋菜々子さんとは『GTOリバイバル』でも共演されていましたが、今回の復活に関してどのような話を?

反町:「なぜそこまで『GTO』にこだわるの?」と聞かれました。作品が山ほどある中で、なぜ今これなのか、と。僕もそのときはふと答えが出なかったんですけど、その“こだわり”の答えを紐解くことこそが、今回のドラマのテーマでもあるんです。僕自身、30年近くこの仕事を続けてきて、『GTOリバイバル』のときにかつての生徒たちが集まってくれた空気感に触れたとき、「頑張ってきてよかったな」と言葉にならない感情が込み上げました。鬼塚も同じ30年間を歩んできた。視聴者の方々にも「あのときこう思ったな」「こんな先生がいたらいいなと思ったな」という当時の熱量を呼び起こしてほしい。“グレートティーチャー”とは何なのか。その謎解きを1話ずつ重ねていくことで、今のPCやスマホの時代に欠けている“人と人が触れ合う感情”をもう一度動かしたいんです。

――改めて、反町さんにとって『GTO』、そして鬼塚英吉とはどのような存在ですか?

反町:間違いなく僕の代表作です。日本だけでなくアジア全域で愛されているキャラクターを、藤沢とおるさんが当時描いたというのは本当に凄いこと。いくつになっても、このキャリアになっても、撮影初日の前夜だけは寝られないんです。それは亡くなった津川雅彦さんもおっしゃっていましたが、僕もいまだに慣れない。でもその緊張感こそが、作品に向き合う誠実さだと思っています。鬼塚らしく、みんなを引っ張っていけるような、最高の時間にしたいですね。

(取材・文=宮川翔)