【中東情勢】米国・イラン停戦期限近づく中で激しさ増す駆け引き…先行き見えぬまま静岡県内にも影響広がる
アメリカとイランの停戦期限が近づく中、両国の駆け引きが激しさを増しています。中東情勢の影響は県内にも広がっていて、先行きが見えない状況に不安が高まっています。
アメリカとイランの停戦期限が日本時間の23日午前に迫り、両国の間で高まっている緊張感。
戦闘終結に向けた2回目の協議がいつ行われるのか見通せない状況が続く中、アメリカのニュースサイト・アクシオスは、バンス副大統領が現地時間の21日朝までにワシントンを出発する予定と伝えました。また、複数のアメリカメディアはイランの代表団も21日にパキスタンに入る予定だと報じています。
緊迫した状況が続く中、20日、木原官房長官は、短期的に石油や電力、ガスの供給に支障は生じていないため、政府が節電や節約の呼びかけを行う必要はないという認識を示しました。
(木原 官房長官)
「現状におきましては、我が国における石油需給において直ちに影響が生じるとの報告は受けていない。日本全体として必要な量が確保されていると認識している」
しかし、静岡県内の特産物の現場には中東情勢の影響が広がってきています。
(佐藤 優里 アナウンサー)
「こちらが水揚げされたばかりのシラスです。おいしそう、キラキラです。おいしい」
21日朝、焼津市の大井川港で水揚げされていたのは駿河湾特産の「シラス」。多い時には、一艘あたり20箱から30箱ほどのシラスが獲れるということですが、 21日は5箱ほどの水揚げでした。
(大井川港漁協 高橋 昭弘さん)
「前年比で3割4割しか取れていないので、シラスの漁は十分ではない」
ここ数年は不漁が続いていると言いますが、さらに追い打ちをかけているのが船の燃料となる「軽油」の供給不足です。
ホルムズ海峡が封鎖されている影響で軽油が港まで届かず、それぞれの船への供給量を制限しているということです。
(大井川港漁協 高橋 昭弘さん)
「出漁の日数を海況を見ながら抑えたり、1回の給油量を制限して各船漁業者に節約しながらやってもらっている。シラス自体が7月8月から最盛期を迎えるのでそれまでには、十分な燃料を確保したい」
4月29日には例年約1万人の来場者でにぎわう人気イベント「朝市」が開催されますが、現在の状況を踏まえ「生シラスの販売」と「漁船の体験乗船」は、急きょ、中止することが決まりました。
一方、沼津市の特産物である干物を製造する会社では、商品を出荷する際に使用する梱包材に大きな影響が…。
ここ「マルヤ水産」では、石油製品「ナフサ」から作られるテープやトレイといった梱包材が、軒並み3割ほど値上げされたといいます。中でも製品が入ってこない深刻な状況だというのが…。
(マルヤ水産 望月 伸一 営業統括部長)
「あちらのビニール袋になります。干物を中に入れて包んで衛生面もそうですし、保冷効果も含めて、物を運ぶときに品質に問題が出てきてしまいます。物自体も今の在庫が6月ぐらいで終わってしまいますので、そこから先は、いつ来るかわからない。どうしていいかわからないですよね。このまま箱に入れるしか手がないのかなと、そうすると溶けて段ボールがダメになったり、商品がダメになったり、手は今のところ考えられていない状態」
「マルヤ水産」では、一日に干物を2万5000枚から3万枚取り扱っていて、それらを包む梱包材の入荷が安定する見通しが立たず、不安を募らせています。
(マルヤ水産 望月 伸一 営業統括部長)
「トレイで言いますと、一日で7000枚とか8000枚くらい使っている。7月以降は全く見えていない状況です。一刻も早く通常の流れになってほしい」
また、影響は静岡市内にある歯科医院にも…。
治療に欠かせない医療用の手袋をはじめ患者が使うエプロン、器具を滅菌するための「滅菌パック」。これらはすべて石油由来の製品です。中でも深刻な影響を受けているというのが…。
(ブランシュデンタルクリニック 尾粼 直人 院長)
「グローブ類は基本的に患者さん1人に対して1つ使うもので、使い回しができるものではないので、非常に影響が出ている」
使い捨ての「医療用手袋」です。この医院では1日に約100枚使うといいます。しかし、注文サイトをみせてもらうと「在庫切れ」の文字が。さらに、4月後半からの入荷分は…。
(ブランシュデンタルクリニック 尾粼 直人 院長)
「『値上げします』っていうお知らせです。ただ、注文したくても物がないっていう」
在庫は約3か月分。患者の診察には直接影響は出ていないと言いますが。
(ブランシュデンタルクリニック 尾粼 直人 院長)
「確実に在庫があるような状況であれば不安はないが、これがなくなったあとの物を、今後どのように確保していくのかというのが今一番の問題ですね」
こうした状況を踏まえ、高市首相は4月16日、中東情勢に関する関係閣僚会議で、国が備蓄している医療用手袋5000万枚を5月から放出すると明らかにしました。ただ、いつ、どの程度が静岡県内に入ってくるかはまだわかっていません。
(ブランシュデンタルクリニック 尾粼 直人 院長)
「一刻も早く収束してほしいと思っているが、全く先が見えない状況なので、日々不安でしかない」
静岡県内でも、さまざまな業界の関係者がアメリカとイランの交渉の行方を見守っています。
