Geekbench 6.7にIntel BOT検出機能が追加される、ベンチマーク結果で公平な比較を可能にするため

Primate Labsがベンチマークソフト「Geekbench 6」の最新バージョンである「Geekbench 6.7」を2026年4月7日にリリースしました。バージョン6.7における最大の変更点は、Intel バイナリー最適化ツール(BOT)が有効になっているかどうかを検出できるようになったことで、Intel BOTが検出されたベンチマーク結果はGeekbench Browser上で無効として扱われます。Primate Labsはこの対応について、異なるシステムやプラットフォーム間でGeekbenchの結果を比較できるようにするためのものだと説明しています。
https://www.geekbench.com/blog/2026/04/geekbench-67/
Geekbench 6.7 adds Intel BOT detection to spoof out 'unrealistic' CPU scores - Benchmark runs with BOT enabled will be marked as invalid | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/geekbench-6-7-adds-intel-bot-detection-to-spoof-out-unrealistic-cpu-scores-benchmark-runs-with-bot-enabled-will-be-marked-as-invalid
今回問題視されたIntel BOTはゲームのネイティブパフォーマンスを向上させることを目的としたもので、実行ファイルごとにチェックサムを取り、対象を識別した上で最適化済みの処理を適用するツール。Intel Core Ultra 200 Plus(Arrow Lake Refresh)シリーズおよびCore Ultra 300(Panther Lake)シリーズで、一部アプリの性能を引き上げる新機能とうたわれています。
インテル® バイナリー最適化ツール: ゲーム向けの強化されたパフォーマンス
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000102604/processors.html
しかし、Primate LabsはIntel BOTによってGeekbenchのワークロードで最大40%の伸びが出る可能性があると警告していました。その後の検証で、シングルコアとマルチコアの総合スコアがいずれも5.5%向上し、HDR処理のような特定のテストでは30%高い結果が出たとされています。
Primate Labsは全体のスコアが一様に伸びるというより、特定の処理だけを大きく押し上げる傾向があることを問題視しています。ベンチマークが本来、現実の利用状況を幅広く反映した複数のワークロードでCPU性能を測ることを目的としているため、Intel BOTのような技術は「通常利用をそのまま反映したベンチマーク結果にならないおそれがある」とのこと。

IT系ニュースサイトのTom's Hardwareによる検証では、Geekbench 6.3ではBOT有効時にシングルコアとマルチコアの両方で5.5%の上昇が見られました。一方で、Geekbench 6.7では現時点でほぼ差が出ていませんでした。仮にBOT側が6.7向けに最適化を行っても、その実行結果は無効として扱われ、他CPUとの比較対象にはならないとのこと。

Geekbench 6.7にはこのほかにもいくつかの改善が含まれています。
たとえば、Android版ではSoCのアーキテクチャ名ではなく、メーカー名とモデル名を表示するようになりました。また、RISC-Vでは長いISA文字列ではなくCPU名を表示するようになり、Linux ARM版ではマルチスレッド処理で発生していたハングを修正しています。なお、Linux向けのRISC-V版とARM版はいずれも引き続きプレビュー扱いです。くわえて、Primate LabsはGeekbench 6.7のスコアは6.3、6.4、6.5、6.6のスコアと完全に比較可能だとしており、Geekbench 6の全ユーザーに対して更新を推奨しています。
