”このディスクは読めません”。

◆気がつけば怒鳴っていた自分

 命よりも大切だと言っても過言ではない、重要なデータが詰め込まれたハードディスクが壊れたことに対して、須藤さんの怒りが一気に込み上げたといいます。

「いい加減にしろ!!」

 思わず怒鳴った声に、若夫婦は我に返ったような表情を浮かべたといいます。二人は顔を見合わせ、深く頭を下げました。

「本当にすみません」

「申し訳ありませんでした……」

 須藤さんも、その場ではそれ以上責め立てることはしませんでした。怒鳴ったことで、多少は気持ちが収まったのも事実です。しかし、問題はそこではありませんでした。

 新大阪に到着すると、そのまま梅田にあるハードディスク復旧センターに直行したといいます。しかし、ドライブが物理的に壊れているらしく復旧は不可能だと告げられました。

「今回の件を通じて、いろいろ学びました。ハードディスクはいつでも簡単に壊れる、そして、悲劇は突然やってくる、ということです」

 今回の被害をきっかけに、データのバックアップはこまめに行うことを誓った須藤さん。そして、外出先ではドライブでのメモリーを使用せず、SSDに変更するとのことでした。

<TEXT/八木正規>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営