「前園真聖」全治6カ月で問われる「バス旅」過酷化 背景に「低予算」と「視聴率狙いのゲーム的演出」
サッカー元日本代表でタレントの前園真聖(52 )が旅バラエティー番組のロケ中に重傷を負った件でテレビ東京が謝罪した。前園がケガをしたのは「旅バラ・バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」だった。
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3月6日付でテレ東が発表した「出演者の負傷に関するお知らせ」は以下の通り。
《2026年2月28日(土)、テレビ東京の「旅バラ・バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」のロケにおいて、出演者の前園真聖さんが負傷する事故が発生いたしました。/事故は番組内の『ミッション』と称されるゲームにおいて、出演者サイドがミッションの危険性等を指摘し、内容の変更を求めていた状況で発生したものです。こうした状況下で番組制作サイドの意向を汲み取っていただいた前園さんが、ゲーム内容を確認した際に、不安定な斜面で転倒し、右足を負傷してしまいました。精密検査の結果、「右膝外側半月板損傷(通常歩行は約1ヶ月半以降の見込み)」と診断されました。これを受け、3月6日に手術を行い、無事に終了したと聞いております。ロケの過程において前園さんにこのような怪我を負わせてしまったことを重く受け止めております。前園さんの一日も早いご回復をお祈りするとともに、前園さんをはじめ関係者の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます。》
これを受け、前園をマネジメントするジャパンエフエムネットワーク(JFNC)は反論とも読めるコメントを発表した。

全治半年の大怪我
《本件事故により、決定済みの多くの案件をキャンセルし、多大なるご迷惑をおかけした関係者の皆さまに深くお詫び申し上げます。/事故の状況や原因については、現在関係各所と確認を行っております。/番組内の『ミッション』と称されるゲームの事前確認段階で、前園含めた出演者側が危険性を指摘し、内容の変更を求めたにも関わらず、番組制作側の意向を汲み取り、不安定な斜面で撮影をした結果転倒し、怪我をしました。/JFNCとしては、出演者側の意向が十分に汲み取られず事故が発生したことを遺憾な出来事と受け止めております。番組制作側には、この事態を真摯に受け止め、再発防止に向けた改善を要望します。》
テレ東の発表では《通常歩行は約1ヶ月半以降》とあるものの、全治には半年かかるとの報道もある。今年6月にはサッカーW杯が開催されるため、前園には解説の仕事もあるに違いない。民放プロデューサーは言う。
「そもそも、オファーを受けた出演者たちがロケ中に危険性を指摘するというのが、今の時代、考えられません。ましてや元アスリートの前園さんまで指摘しているわけですから」
ブランコに乗って靴を飛ばす“ミッション”だったという。
「事故の状況や原因については調査中とのことですが、現地に行ってブランコを見て、大人が乗るには小さすぎるとか、ブランコの前の斜面がきつすぎるといったことが判明したのかもしれません」
もっとも、前園は“ミッション”を行ったわけでなく、《不安定な斜面で転倒》して大怪我に至った。
出演者に強いる負担
「それでもテレ東が主張するように、前園さんには《番組制作サイドの意向を汲み取っていただいた》のか、それともマネジメント会社が主張するように《出演者側の意向が十分に汲み取られず事故が発生した》のか、その差は重要です。そもそも『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』に始まるいわゆる“バス旅”シリーズは、過酷なロケが売りでしたから」
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は太川陽介と蛭子能収のコンビで2007年にスタートした。一般的な旅番組とは趣を異にし、制限時間内に目的地へ到達することが目的となっている。そのため、乗り継ぎが上手くいかなければ長距離を歩き続けることもあり、そこには旅情と呼べるようなものは滅多になかった。その過酷さもあって、蛭子は番組を卒業している。
「低予算で作れる、いかにもテレ東らしい番組で人気となりました。かつてなら他の民放各局は『よくやるよなあ』くらいの気持ちで見ていたものですが、ここ10年くらいは地上波離れなどにより制作費の削減が求められ、他局も似たような旅バラエティを作るようになりました。旅バラエティやグルメ番組は大外れしにくく、それなりに高い視聴率が取れるのでどこも力を入れています。すると、差別化を図るための演出も行われるようになってきたわけです。それが“ハラハラさせるようなゲーム的要素”です。出演者に負担を強いる傾向も強くなっています」
まさに今回の事故の原因とも言える。番組への影響はあるのだろうか。
「一部では打ち切りレベルなんて声も出ているようですが、テレ東にとっては看板番組のひとつですから終了とまでは行かないでしょう。それでも“出演者に負担を強いる”という点は見直されるかもしれません。番組内容が精査されて出演者の負担は軽くなるかもしれません」
現在、テレ東はバス旅の小学生バージョン「THEバス旅jr.」を企画しているようだが、果たして……。
デイリー新潮編集部
