「若い女性と子どもがほしい」50代男性の多さに愕然…58歳女性が知った熟年婚活の現実
――結婚相談所に登録した当初、どのような感触を得ましたか?
吉田:登録すると、「新しい会員さんが入りました」みたいな紹介コーナーがあるらしくて、最初の1ヶ月は、びっくりするぐらいたくさんのお申し込みをいただきました。
でも、60代の方からのお申し込みが多かったです。最年長では78歳の方からお申し込みが来たことも。私は、できれば3歳以上離れていない年齢の近い方と出会いたいと思っていたんですけど。
結婚相談所のコンサルタントの方に聞くと、私と同年代の男性は、若い女性と出会って子どもを望んでいるケースが多い、と言われました。
50歳を過ぎても、子どもをほしいと望んでいる方がこんなに多いんだ、と。本当に、私は世の中のことを知らなかったんだなって、衝撃を受けましたね。
◆お見合いで出会った“クセ強”男性たち
――印象に残っている出会いを教えてください。
吉田:自動調理機を買ったと嬉しそうに話す男性がいて。YouTubeでその調理器を紹介している動画を観て購入したそうなんです。「その調理器で何を作ったんですか?」と聞いたら、数ヶ月経ってもまだ一度も使っていないと言うんです。
理由を聞くと、「置く場所をまだ決められなくて」と。しかも、材料を買って、自分で切って、鍋に入れなきゃいけないのが面倒だ、と。それを聞いたとき、「この人には念じたら全部やってくれる超能力家電が必要なのかも」って思いました……(笑)。
68歳の男性で、大学に入り直して勉強されているという方もいました。でも、先生方は自分より年下らしく、「奴らが……」みたいな言い方をされるんです。先生に対するリスペクトがまったく感じられなくて。
もしかして私のことも小娘くらいに思っているのかな、と感じてしまいました。ただ「相手が欲しい」という印象が強くて、尊重し合える関係を築くのは難しいだろうな、と。帰り際に「タクシーで帰りますか」と言われましたが、「私は買い物して帰ります」と、そのまま失礼しました。
同じく60代の方とのお見合いで、まるで茶道の個人講義のような時間を過ごしたこともあります。30代からずっとお茶を習っているそうで、表千家、裏千家、武者小路千家……と主要流派の違いを延々と解説されて。
お店で注文したお茶が出てきても、なかなか「どうぞ」と言ってくださらない。結局、「お茶、飲んでもいいですか?」とこちらから尋ねる流れに。正直、つらい時間でしたね。
◆婚活は「心のリハビリ」だった
――婚活を続ける中で、心境に変化はありましたか。
吉田:元パートナーからモラハラを受けていたので、事実婚が解消された直後は、外に出るのも怖いし、家にいるのも怖い、という状態でした。だから、婚活を始めた当初は、男性に対する恐怖心があったんです。でも、いろんな方とお会いしていくうちに、その恐怖心が少しずつ和らいでいきました。
それぞれに価値観があって、正直に話してくださる方や、自己開示してくださる方もいる。男性って、ひとくくりにはできないんだ、とわかったんです。
歩んできた人生も違えば、奥さまとの別れ方も本当にさまざま。話してみると、価値観の違いが見えてくる。その違いを知ることが面白いと感じられるようになって、そういう時間を持つことが、だんだん楽しくなっていきました。
ある程度仲良くなった方には、以前モラハラに遭ってつらかったこともお伝えしました。すると、気持ちに寄り添ってくださる方もいて。そうした出会いを重ねるうちに、「男性は怖いものだ」という感覚はなくなりましたね。
――現在、モラハラに苦しんでいる女性に伝えたいことはありますか。
吉田:私自身、ネット上でモラハラに苦しむ女性たちの投稿を読んだことがきっかけで、弁護士さんに相談することができました。同じように苦しんでいる人がいると知って、背中を押されたんです。
ただ、「お金がないから動けない」と書いている方も多くて。事情は本当にそれぞれだと思います。でも、ネットで気持ちを吐き出すだけでは、現実はなかなか変わらない。だから、専門家や助けてくれる人のところへつながってほしいなと思います。
苦しい状態が続くと、心だけでなく体にも影響が出てしまうことがあります。私も原因がわからない不調に悩まされました。
無理はしなくていいけれど、少しでも外に目を向けてみること。誰かに相談してみること。一歩踏み出すことで、未来を変えることができると思います。
<取材・文/秋山志緒>
【秋山志緒】
大阪府出身。外資系金融機関で広報業務に従事した後に、フリーのライター・編集者として独立。マネー分野を得意としながらも、ライフやエンタメなど幅広く執筆中。ファイナンシャルプランナー(AFP)。X(旧Twitter):@COstyle
