「懲らしめから更生へ」拘禁刑導入で変化する刑務所 受刑者と刑務官の対話を取材
午前の情報番組「DayDay.」MCで熊本出身の武田真一さん、取材した緒方大樹記者と結んで「変化する刑務所」についてお伝えします。
去年、懲役刑が廃止され、懲罰から、更生により重きを置いた「拘禁刑」が導入されて、話題になっています。
拘禁刑という言葉もありましたが全国の刑務所で今まさに大きな変化が起きていますその中で熊本刑務所の変化について取材しました。
【VTR】
熊本市中央区にある熊本刑務所。収容されているのは、半数以上が刑期が10年を超える受刑者です。そんな熊本刑務所にある部屋があります。受刑者と刑務官などとの「対話」に使用する部屋です。
熊本刑務所では「話し手」となる受刑者と「聞き手」となる刑務官、2人の会話を聞く「観察者」で行います。
①「話し手」の受刑者が「聞き手」に自分の話したい話題の話をします。
②「観察者」はその名の通り2人の会話を観察します。
③そして「聞き手」と「観察者」が受刑者との会話の印象などを話し合います。
④すると「話し手」だった受刑者が「観察者」の立場になって2人の会話を観察します。
このとき受刑者が「観察者」に回ることで自分の話がどう受け止められたのか、聞く時間ができます。その時間に、受刑者は自分と違う考えやそのヒントを主体的に感じ取ることができます。
これを繰り返していくのがリフレクティングの手法です。
【スタジオ】
(緒方大樹記者)
実際に無期懲役の受刑者のリフレクティングの様子を去年の春から取材していますが、はじめは自分の生い立ちなどについて話していた受刑者が次第に「更生とは何か」というテーマで話すようになるということがあり取材の中でも変化を感じています。
(武田真一さん)
これまでは身柄を拘束して作業をさせることによって更生を促すということだったが、中々自分の罪に向き合うことができないこともあったのではないかと想像しています。
「リフレクティング」は対話によって自らの罪にいわば鏡を見るように向き合うことによって色々な気づきが得られると期待されているということですよね。たとえ無期懲役のように社会復帰がはるか遠くにある受刑者でも、刑務所の中ではありますが、罪と向き合うことができれば人生の意味が大きく違ってくるのではないかと思います。
(緒方大樹記者)
リフレクティングはまだどれぐらい再犯が減ったなど、まだ明確な効果が数字で表せるようになるのは先ですが更生、そして再犯防止に向けた大きな一歩になっていると感じます。さらに、熊本刑務所ではこんな取り組みも始まりました。
【VTR】
1月に熊本刑務所にオープンした「熊本プリズンリフレクティングカフェ」。受刑者のいる壁のすぐ隣にあります。このカフェは交通事故で息子を亡くし犯罪被害者の支援活動なども行っている深迫祥子さんの協力でオープンしました。
現在は、一般向けに開放はされていませんが、熊本刑務所はこのカフェで加害者だけでなく被害者の支援や心情聞き取り、医療・教育など様々な分野でリフレクティングを活用したいとしています。
【スタジオ】
(武田真一さん)
私も、深迫さんの活動に参加したことがあります。
犯罪被害について語り合うのは、一般の方はもちろん、当事者であってもハードルが高いことだと思う。でも、そこにこうした一杯のコーヒーがあれば心を開いて参加しようという方が増えてくるのかなという気がします。
(緒方太郎キャスター)
刑務所の中は今、大きな転換点を迎えています。武田さんはどう感じましたか?
(武田真一さん)
「懲らしめから更生へ」という流れは、もしかしたら生ぬるい処分のように感じる方もいるかもしれません。しかし、受刑者に二度と罪を犯さないという誓いを促すことができれば、結果的に社会の安全・安心は高まってくると思う。とても意義があることだと思う。
(緒方大樹記者)
リフレクティングカフェの取り組みはまだ始まったばかりです。
