「生前贈与」の一環として今後10年間、孫に“毎年100万円”を渡したい! “年間110万円以下”ですし、「贈与税」はかからないですよね?
“年間110万円以下”の贈与は「贈与税」がかからないのが原則
生前贈与には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方法があります。
・年間110万円の基礎控除
・税率は10~最大55パーセント
・年間110万円まで相続財産に加算されない非課税枠あり(令和5年度の税制改正により、新たに創設)
・累計2500万円の特別控除
・2500万円を超過した分の税率は一律で20パーセント
今回は「今後10年間で孫に毎年100万円を渡したい」とのことなので、毎年一定額を贈与するケースで一般的に利用されることが多い「暦年課税」について解説します。国税庁によると、「暦年課税」における贈与税の計算方法は、以下のとおりです。
1.その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産を合計する
2.その合計額から基礎控除額110万円を差し引く
3.その残りの金額に税率を乗じて税額を計算する
今回のケースでは、基礎控除額110万円を引くと課税価格は0円になるため、孫の年齢にかかわらず一般的には贈与税はかからない可能性が高いようです。基礎控除後の課税価格が差し引きゼロではない場合は、孫が未成年の場合は一般税率、孫が18歳以上の場合は特例税率が適用されます。
暦年課税でも税金がかかる3つのケース
掲題の場合は、「ケース3:定期贈与」に該当する可能性も考えられるようです。
・ケース1:複数名から贈与を受けて基礎控除額を超過した
例えば、AさんとBさんから年間300万円の贈与を受けた場合、基礎控除額を超過した190万円に対して贈与税(一般税率10%=19万円)がかかる可能性があります。
・ケース2:贈与者が亡くなる7年以内に贈与を受けた(生前贈与加算)
令和5年度税制改正により生前贈与加算は、3年以内から7年以内に延長されました。「3年以内のルール」で計画していた方は、税金負担が増す恐れがあります。
・ケース3:毎年決まった額を決まった時期に贈与を受けていた(定期贈与)
今回のケースで該当する恐れがあり、定期贈与と判断されないためにも、贈与の時期や金額を変えたり、贈与契約書を作成(その都度、契約したことを証明する)したりといった対策が必要です。
暦年課税を活用すべき3つのケース
また、以下に挙げる3つのケースでは暦年課税が適しています。
・ケースA:孫やひ孫に贈与する場合
生前贈与加算の対象は、原則として法定相続人(配偶者や子ども、兄弟など)に対する贈与です。このため、相続人でない孫やひ孫への贈与は生前贈与加算の対象外となるケースが多いです。
・ケースB:法定相続人以外に贈与する場合
前記のケースと同様に、法定相続人以外への贈与は生前贈与加算の対象外になります。
・ケースC:複数名に贈与する場合
暦年贈与の非課税枠は受贈者ごとのため、孫が10人いれば年間で最大1100万円を非課税で譲渡できます。相続税は累進課税のため、相続財産を圧縮できれば資産承継の負担軽減につながります。
まとめ
暦年課税であれば年間110万円以下は非課税ですが、「定期贈与」と判断されると贈与税がかかる可能性があるので注意しなければなりません。税務署に「定期贈与」と判断されないためにも、贈与の時期や金額を変えたり、贈与契約書を作成したりといった対策を講じましょう。
出典
国税庁 令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

