理想のオムライスに出会える正統派洋食店など、注目の14店〈大木淳夫の6月の新店アドレス〉
グルメ本編集長として数々の名店を訪れる大木淳夫さん。毎月たくさんの飲食店がオープンする中で、大木さんが「これは!」と思った新店をずらりと紹介します。
一般予約が可能になった人気レストランと、令和の正統派洋食店
シェフの移住で新しいスタイルに
東京のグルメシーンをけん引する一人である、米澤文雄シェフがサウジアラビアに移住というニュースは衝撃的でしたが、そのおかげで?紹介制だった西麻布のレストラン「No Code」が、6月12日から誰でも予約ができるようになりました。
新しいシェフは、米澤さんの右腕として活躍してきた31歳の久松暉典さん。そしてスタイルは「メキシカンフレンチ」に。12品ほどのおまかせコースですが、タコスは出ません。豊かな食文化を持ちながら、その魅力が日本では伝わりきっていないメキシコ料理をフレンチの技法で再構築し、輝かせています。ソースを見事に使った品々は、その手があったかと、唸るばかり。新しい発見を楽しんでみてください。

<店舗情報>
◆No Code
住所 : 東京都港区西麻布2-25-31 クオーレ西麻布 2F
TEL : 050-5456-6777
理想のオムライスに出会える洋食店
6月1日、白金高輪にオープンした「marronnier(マロニエ)」は洋食レストランです。オーナーシェフの阿久津正輝さんは、中学生の頃にドラマ「ランチの女王」(2002年/フジテレビ系)を見て洋食店を目指すことを決め、「レストラン大宮」での修業時代には「チューボ−ですよ!」(1994〜2016年/TBS系)の人気コーナー「未来の巨匠」に出演したこともあるという、夢を実現し続けているシェフ。
コンソメからデミグラスソース、パン、ジェラートまですべて手作りで、極めて正統派の洋食と出会えます。お昼にうかがったところ、私がオーダーした「磨宝卵のオムライス」、隣の席の方の「和牛のハンバーグ」、どちらもそのフォルム、ソースの美しさにほれぼれしました。シェフご夫妻の温かい接客と清潔な店内も気持ちよく、早速夜に予約。ワインと共に「ブルーチーズのグラタン」「栃木県産 ヤシオポークカツ」、そしてもちろんハンバーグを堪能。大満足のまま特製チキンカレーとグラッパで締めました。

<店舗情報>
◆洋食レストラン marronnier
住所 : 東京都港区白金5-6-2 2F-B
TEL : 050-5456-5201
麻布十番に誕生した注目のフレンチとハモンイベリコ専門店
これぞレストラン、なフレンチ
4月25日、麻布十番にフレンチの大物シェフが「La Maison Confortable」をオープンしました。1月に閉店した「ピエール・ガニェール 東京」のエグゼクティブ・シェフだった赤坂洋介さんの独立店です。グランメゾンで2つ星を保持し続けたシェフが、自由な発想のもとで繰り出す料理は、味はもちろん、美しい色彩や食材の組み合わせで、レストラン料理の楽しさを存分に味わわせてくれます。
清潔感のある白を基調とした店内は、ゆったりと寛げる15席。前店から共に働くスタッフも多く、料理の流れもとてもスムーズです。11,000円からのランチコースがあるのもうれしいですね(サービス料別)。

<店舗情報>
◆La Maison Confortable
住所 : 東京都港区麻布十番3-7-4 Coms Azabujuban 4F
TEL : 03-6809-4433
「La Maison Confortable」の紹介動画はこちら!
https://www.instagram.com/reel/DLJ_xeXBxru/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
スペインの生ハムを心ゆくまで
5月27日、 麻布十番大通りの六本木寄りにオープンしたのは、スペイン料理「アトレヴィオ」です。ハモンイベリコにフォーカスしたお店で、運営はソルト・コンソーシアム株式会社。
お店一番のおすすめは生ハムの食べ比べセットで、3種のハモンイベリコを一度に試せて、味の違いを実感できます。他にも中がしっとりとしていて、上にハモンイベリコがのった円形のトルティージャである「Atrevío たまご焼き」や、バルセロナの名物ジャガイモ料理「パータタスブラバス」など、魅力的なメニューも。スペインをイメージした明るい店内は上品な活気があって、いかにも麻布十番らしいお店。モバイルオーダー全盛の中、会話をしながらメニューを選べるライブ感も楽しさを演出してくれました。

<店舗情報>
◆Atrevío
住所 : 東京都港区元麻布3-10-1 ルミークスイート麻布十番 1F
TEL : 050-5456-2697
一流シェフ、人気焼肉店、それぞれのグルメバーガー
フレンチシェフ渾身のバーガー
5月2日、「KOTARO Hasegawa DOWNTOWN CUISINE」で、新御徒町の佐竹商店街を一躍有名にした長谷川幸太郎シェフが、その少し先に「H (Ahsh) BURGER」をプレオープン(グランドオープンは7月3日予定)しました。
地元の小中学校の後輩という早坂貴司さんが店長で、奥様の那美さんがサービスを担当しています。研究と飲食経験の無い早坂さんの修業で1年半を要したとのことでしたが、フランス料理のトップシェフが本気で作ると、こんなにおいしいハンバーガーができるのかと感嘆しました。すべての具材、ソースにとても細やかな工夫がなされていて、口中で最高の一体感を味わえます。近所の人が続々と買いに訪れ、笑顔で会話を交わす光景はまさに下町の良さ。今後は月1でジビエなどを使った新作バーガーも登場予定とのことで、注目です。

<店舗情報>
◆H (Ahsh) BURGER
住所 : 東京都台東区台東3-2-8
TEL : 不明の為情報お待ちしております
「#ヒロキヤ」が作るA5和牛バーガー
5月31日、六本木では人気焼肉店「#ヒロキヤ」が「WAGYU BURGER HIROKIYA」をオープンです。11時から17時までの営業で、朝挽きした、つなぎなしのA5ランクの和牛をがっつり味わえるハンバーガー。
「H (Ahsh) BURGER」では玉ねぎをピクルス状にしていましたが、こちらはペースト状になるまで炒めて甘みを引き出しています。シグネチャーメニューである「THE HIROKIYA BURGER」は、たっぷり150gのパティとオニオンペースト、ガーリックマヨネーズのみというシンプルな構成。それだけに肉をひたすら味わう充足感を得られます。

<店舗情報>
◆WAGYU BURGER HIROKIYA
住所 : 東京都港区六本木5-16-5 インペリアル六本木1号館 1F
TEL : 03-6277-8319
小伝馬町に実力派女性シェフの独立店が。門前仲町には「シンバ」出身シェフのカウンタービストロ
フランス料理好きにおすすめしたい店
5月16日、小伝馬町にオープンしたフレンチ「Cheval(シュヴァル)」も注目です。オーナーシェフは「ティエリー・マルクス銀座」でシェフだった小泉敦子さん。カウンター主体のワンオペ店で、なんといってもうれしいのはオールアラカルトということでしょう。
料理は13品ほどですが、フランスの郷土料理である「アリゴ」や、生まれ育った地元へのリスペクトを込めた「深川リゾット」など、注文したくなるものばかり。最初にオーダーした「ひとくちパテとチョリソー」で心を掴まれ、メインの「ビゴール豚のロースト」もさすがの火入れで抜群でした。いわゆるグルメエリアではありませんが、1人でも楽しめるので、フランス料理好きはぜひ訪れてみてください。

<店舗情報>
◆Cheval
住所 : 東京都中央区日本橋大伝馬12-20 Kkビル 1F
TEL : 03-3527-2442
スパイスを生かしたカジュアルフレンチ
4月22日、 門前仲町にオープンしたフレンチ「Santépices(サンテピス)」のオーナーシェフは、大人気店「ビストロ・シンバ」でスーシェフを務めた沼田大貴さん。シンバ譲りのスパイスを生かした料理を提供しています。カウンター6席で、コースはおつまみメインの5,500円と食事メインの8,800円で、遅い時間にはアラカルトも。ナチュラルワインと共に、さまざまなシーンでカジュアルに楽しめます。
そして昼間は、奥様が浜松町で店長をしていたパニーニ店「ワインスタンド Kanpani(カンパーニ)」が復活。メニューを拝見したところ、具材を持参すると何でもパニーニにしてくれるというサービスもあり、気になって仕方ありません。ちなみに大福やギョーザなど、多彩な持ち込みがあるようです。

<店舗情報>
◆Santépices
住所 : 東京都江東区佐賀1-10-8 第五小崎ビル 102
TEL : 080-8082-5154
前菜が楽しいイタリアンと、引かれるメニューのジェラート店
前菜から楽しいイタリアン
5月30日、浜松町で9月に開業するツインタワー南側「TOWER S」に先駆け、「GREEN WALK」エリアに路面店としてオープンしたのがイタリアン「Ortu」です。運営は渋谷「オステリアウララ」など、人気店を展開しながらオリジナリティにこだわる株式会社ダルマプロダクション。
こちらは前菜にフォーカスしていて、ショーケースに常時15〜18種の総菜が並びます。まずはお任せ6〜8種盛りと飲み物をオーダー。豊富できちんとおいしい小皿をつまみつつ、パスタやメインを選ぶのがいいでしょう。オープンキッチンでスタッフのコミュニケーション力も高く、メインにはオッソブーコがあったりもするので、イタリアン好きから初心者まで、誰でも楽しめるオステリア(大衆居酒屋)として、重宝されそうです。

<店舗情報>
◆Ortu
住所 : 東京都港区芝浦1-1-1 BLUE FRONT SHIBAURA GREEN WALK 101
TEL : 050-5456-3526
人気店になりそうなジェラート
イタリアンジェラートでも注目店が誕生です。5月27日、 西永福にオープンした「GELATERIA VOLPE(ジェラテリアボルペ)」。
白砂糖、香料、着色料不使用ということで気になってインスタを見ていたら、新作として登場した「ラムバナナ」があまりにおいしそうで駆けつけました。濃厚なバナナと絶妙なラムの香りで、素晴らしい味。他にも「幻のカラマンダリンシャーベット」「シチリア島ブロンテ産ピスタチオ」「ピーナッツバター×ジャックダニエル」など、そそられるものだらけ。オープンして間もないのに、路地の小さな店内にどんどん人が訪れて早くも大人気の様相でした。テイクアウトは定番の4種と6種のセットがあります。

<店舗情報>
◆GELATERIA VOLPE
住所 : 東京都杉並区永福4-19-4 安藤ビル 1F
TEL : 不明の為情報お待ちしております
渋谷にはスタンディングフレンチと、女将のおばんざい店
スタンディングで気軽にフレンチを
6月29日、渋谷にスタンディングのフレンチ「C’est ouf(セウフ)」がグランドオープンしました。4月に同ビル1階にオープンした「Cherry Pick Hills」や「大人気(おとなげ)」「嚔(アチュー)」で有名な砂田兄弟の新店です。
シェフはセルリアンタワー東急ホテルの「タワーズレストラン クーカーニョ」出身、29歳の熊谷友宏さん。メニューは12種程度ですが、ナッツや生ハムから、鮮魚のポワレ、パートブリックで包んだハンバーグまで、ニーズに応じて揃っているので多様な使い方ができそうです。経営陣も含め、若いスタッフたちが新しい形のフレンチを模索する姿には明るい未来を感じます。

<店舗情報>
◆C'est ouf
住所 : 東京都渋谷区桜丘30-9 Shibuyahills B1F
TEL : 未開通
最近の流行? 女将がいるおばんさい店
5月30日、渋谷の百軒店には「小料理屋 でめきん」がオープンしました。ここ数年、なぜか流行している“女将がいるおばんざい店”です。路地裏から入ると路面店で、雑居ビル側から入ると2階という、坂道ならではの面白い立地。
女将の佐井ひとみさんと3人の女性スタッフという構成でした。お通し代は2,000円かかるのですが、その分、おばんざい5種はお代わり自由。最低限の単価はこれで確保できるので、なるほどなシステムです。ウリの生アジフライは半身、小・中・大と3種のサイズ。他の料理もハーフサイズにできるものが多数で、1人客でも安心して楽しめます。

<店舗情報>
◆小料理屋 でめきん
住所 : 東京都渋谷区道玄坂2-16-1 都路ビル 203
TEL : 050-5456-0995
話題の立ち食いそばと野菜が豊富な焼きパスタ
立ち食いそば界に期待の新店
4月19日、神保町に「立喰いそば梅市」がオープンしました。立ち食いそばも、密かにブームですね。
14時ごろにうかがったところ、狙っていたげそ揚げは売り切れ。その事態は想定していたので、第2希望に用意していた「冷やしラー油肉そば」を。冷たいからということもあるでしょうが、そのコシは最近オープンした立ち食いそばの中では随一。甘めの肉とニンニクチップがたっぷりの食べるラー油のバランスが良く、辛さよりうまみを感じました。ちなみに場所は大行列店「うどん 丸香」の向かいです。
※6月30日現在、一時的に休業しています。最新情報は店頭にてお確かめください

<店舗情報>
◆立喰いそば梅市
住所 : 東京都千代田区神田神保町1-2-6
TEL : 不明の為情報お待ちしております
「焼きパスタ」専門店
5月14日、新宿御苑前にオープンした「ナポリタンジョワ」は焼きパスタ専門店なのですが、実は「ポトフ料理ジョワ」の5カ月限定の業態変更店。野菜を中心とした料理店というコンセプトはそのままに、夏場の季節に合わせて野菜+パスタという新機軸を打ち出したのです。
訪れた日にオーダーした「トマトナポリタン」にはなんと17種もの野菜が。大ぶりにカットされているので、野菜を食べているという充実感がたっぷりで、スパイスの利いた細麺のパスタとのバランスも良かったです。ベジタリアンにも対応しています。

<店舗情報>
◆ナポリタンジョワ
住所 : 東京都新宿区新宿1-12-1 サンサーラ第三御苑 1F
TEL : 050-5456-2663
食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/
文・撮影/大木淳夫
※価格は税込です
教えてくれた人

大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2025」が発売中。
