新型コロナウイルスパンデミックに伴ってリモートワークという働き方が急速に普及しましたが、一方でGoogleAmazonなどの大企業を中心にリモートワーク制度を縮小する動きも出ています。いったいなぜ企業の幹部がリモートワークを終了したがるのかについて、元Amazon幹部のイーサン・エバンス氏が解説しています。





Amazon新型コロナウイルスパンデミックを受けて全社的なリモートワークを期間限定で導入し、2021年10月には「1週間ごとの最低出社回数を各チームの裁量に委ねる」というリモートワークに対して融和的な施策を開始しました。しかし、2023年8月にはアンディ・ジャシーCEOが社員に対して「週3日の出社を拒否し続けるのであれば、おそらくAmazonではうまくいかない」と発言したことが報じられ、2024年9月には「週5日のオフィス出社」が基本的な勤務形態として定められました。

Amazonが「週5日のオフィス出社」への方針転換を断行 - GIGAZINE



一般社員がリモートワークによる生産性の向上を実感しているにもかかわらず幹部がリモートワーク制度の終了を働きかける理由について、エバンス氏は自身の経験をもとに「一般社員と幹部では住む世界が違う」と論じています。

エバンス氏はAmazonの幹部として大きな富を得ており、「住宅ローンを支払う必要がない」「メイドサービスが2週間ごとに掃除してくれる」「芝刈りは別の人がやってくれる」「50歳で早期退職する」といった生活を送っていました。さらに、「エバンス氏より上のレベルの幹部」は「管理人が常駐する別荘を複数所有する」「プライベートジェットを所有する」「各種請求に対する支払い処理や食料品の買出しなどを代行してくれるパーソナルアシスタントを雇う」「ドライバーを雇う」「子どもたちを授業料の高額な私立学校に通わせる」「費用をまったく気にせず好きな場所に住む」という一般社員とは大きく異なる生活を送っているとのこと。

一般社員がオフィス勤務する場合は「出社するのに時間がかかる」「家事に割ける時間が減る」といった数々の問題が発生しますが、幹部はそれらの問題を実感することがないわけです。さらに、幹部まで上り詰める人物の多くは生活のほとんどを仕事に費やしており、オフィスに出社することを「非常に価値のあること」と認識しています。

エバンス氏は一般社員とかけ離れた生活を送る幹部に対してリモートワークの重要性を説明する方法として「リモートワークや出社が一般社員に与える影響をデータや動画で示し、幹部が影響を理解できるようにする」ということを推奨しています。