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 毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。7月22日から7月28日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

参考:高橋李依、“先輩プリキュア”として『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』へ意気込み

 パリ五輪が開幕しました。男子サッカーの展望についてはこちらの胡乱な記事(男子サッカー日本代表はどの作品? FIFAランキングと夏アニメの“話題度”で考えるパリ五輪)でもご覧いただきたいですが(予想通り日本代表=『しかのこ』は強い!)(※1)、それに合わせてかアニメでもフランスやパリの要素がとにかく多いのです。

 『逃走中 グレートミッション』の新ステージはパリだし、『未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書』の恰幅のいい悪役・コションの名前はフランス語で豚という意味らしいし、旧作がフランスで超人気だった『グレンダイザー』の新作や何と言っても『俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~』が放送中だし……という小粋なジョークで原稿を書き始めようとしたところ、以下のようなニュースを見かけて、やっぱり『しかのこ』は持ってるなと。(※2)

 というわけで、今週はタイムリーな神回から紹介していきます。

●楽しく学べる、子供向けアニメの王者っぷり『わんだふるぷりきゅあ!』第26話

 全国民が共感するであろうサブタイトルをドンピシャのタイミングで出してきただけで素晴らしい!……に尽きるのですが、内容も猛暑の夏における過ごし方やペットの扱い、さらに「ラクダは暑さに強いけど湿気に弱い」といったトリビアなんかにも触れていて子供向けアニメとしてとても正しく、さすが王者『プリキュア』だなあと感心させられました。「日が昇る前の涼しいうちに散歩しよう」という結論だけは、朝から30度近くて暑い最近はさすがに厳しいのでは……と思わされたものの。

 ただ最後の、メエメエ(羊の執事マスコット)の雑な扱いまで含めて楽しかった。最近の『わんだふるぷりきゅあ!』は『トロピカル~ジュ!プリキュア』以来の愉快さだと感じているのですが、「わんだふるご~!」「願い事はワォ~~~~~ン」といったサブタイトルを振り返ると大体同じくらいの能天気さっぽいからかもしれません。

●字幕などの意外と珍しい使い方?『貼りまわれ!こいぬ』第16話

 続いても犬ネタ。本作は仕事でステッカーを貼りまわる“こいぬ”が主犬公の愉快なショートアニメです。今回は偽こいぬが登場するのですが、この謎生物が喋る謎言語が音声翻訳アプリを通じて翻訳されます。ここでの描写が以下のような感じ。

字幕「目ご寿 どげ無」小さめの音量(謎生物の声)で「目ご寿 どげ無」大きめの音量(翻訳アプリの声)で「本当にすみませんでした」

 通常、日本のアニメで日本語以外の言語が使われる場合は、その言語の音声+その日本語訳となる字幕の組み合わせがほとんどで、今回のような描写は珍しいんじゃないかなと。

 で、何が言いたいかというと、筆者のような仕事の最中にBGVとしてアニメを流すこともある不良アニメ好きとしては、今週の『菜なれ花なれ』のポルトガル語のシーンのような字幕が多いと画面をしっかり観る必要があって大変なんですよ!(いやそれが普通なのは重々承知なのですが)そのため、今後は『貼りまわれ!こいぬ』形式を発展させて

小さめの音量:その言語字幕:翻訳のテキスト大きめの音量:翻訳の音声

 としていただけると、情報量が増えるかもしれないけど嬉しいなと感じたのです。あ、もちろん『貼りまわれ!こいぬ』はいつも通りに面白いエピソードでした。

●『VTuberなんだが~』との合せ技一本『恋は双子で割り切れない』第3話

 双子女子との三角関係が展開する本作、サブカル好き女子な妹・神宮寺那織の会話がとにかく強烈です。前週の主人公と映画デートに向かう最中だけでも「タイムトラベルものって結局『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が最&高でしょ」「『コインロッカー・ベイビーズ』はマジでバイブル」「スター・デストロイヤーぶつけるぞ」「このクソトレッキーが」といった“いかにも”なセリフを連発します。このキャラ、本当にものすごい。

 で、今回彼女が友達とカラオケに行き、一緒に歌っていたのが2007年のアニメ『School Days』のオープニングテーマ「イノセント・ブルー」。まあ作中の年代はよくわからないけどサブカル女子なら歌ってもおかしくないラインか……? と自分をギリギリ納得させられそうなワンシーンでした。

 ところが同じ週の『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』でも(ゲーム版の)『School Days』が登場し「誠死ね」「Nice boat.」といったアニメ版のネットミームも披露されました。17年も前のアニメなので、若い人にはすでに2000年代中期の作品なんて古典みたいな扱いなんでしょう。この週では『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』で「ハレ晴レユカイ」のカバーも流れましたが、昨今の1990年代アニメリメイクブームに続いて、そろそろ『涼宮ハルヒの憂鬱』とかのリメイクが発表されてもおかしくないな、と感じた次第です。

※1 https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1726852.html※2 https://news.livedoor.com/article/detail/26879655/

(文=はるのおと)