ダイハツ不正発覚 原因「風土づくり」 記者会見でわかったこと/これから
「心よりお詫び申し上げます」
「お客様をはじめ、ステークホルダーの皆様には大変なご迷惑、ご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます」
【画像】衝撃の調査結果 これらのクルマの行く末はいかに ダイハツ販売停止車種をさらに見る 全165枚
「ダイハツは軽自動車をはじめといたしまして日本の国土道にあった国民の足となる車として育てていただき、お客様にご愛顧をいただいてまいりました」

売れ筋の「タント」でも不正が発覚した。 ダイハツ
「こうしたお客様の信頼を裏切ることとなり、重ねてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
ダイハツとトヨタによる2023年12月20日の共同記者会見において、ダイハツ工業株式会社の奥平総一郎代表取締役社長、同社の星加宏昌副社長、そしてトヨタ自動車株式会社の中嶋裕樹副社長は、謝罪の言葉と共に深々と頭を下げたのであった。
不正は1989年より
ダイハツは2023年4月と5月に開発における認証申請不正が発覚。その調査を第三者委員会に委ねていた。
そして、その調査結果として、なんと新たに25の試験項目において、174もの不正行為があったことが判明。

側面衝突試験にて、法規に適合していない可能性が判明した「キャスト(トヨタ自動車では『ピクシスジョイ』として販売)」。 ダイハツ
その調査結果を受け、ダイハツは国内外で生産中のすべてのダイハツ開発車の出荷を停止。トヨタも同様の措置を取ることとなった。
そして、それらを報告する記者会見の冒頭が、関連するダイハツとトヨタ幹部の謝罪であったのだ。
今回の不正が判明した車種は、すでに生産終了したものもあわせ64車種/3エンジン。この中にはOEM提供されたトヨタ車やマツダ車、スバル車も含まれる。
不正は1989年より、現在まで30年以上も続いており、市場に出荷された台数は、数十万台規模となる。つまり、自分の愛車が、不正に関連した可能性のある人が、非常に数多く存在しているのだ。
そのため、ダイハツとトヨタは、不正のおそれのある車種に関して、ひとつひとつ技術検証と実車試験を行い、さらに第三者認証機関「テュフ・ラインランド・ジャパン」の確認を実施。
その結果、「キャスト/ピクシスジョイ」の側面衝突試験における「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が、法規に適合していない可能性があることがわかったという。
まさに重大な違反行為
現時点では、これによる事故情報を把握していないが、速やかなる対応を予定しているという。そして、それ以外の車種に関しては、法規が定める性能基準を満たしているとか。
ただし、だからといって問題が解決したわけではない。新車開発における「認証」は非常に重要な工程であり、その手続きにも厳格なルールが存在する。

この春に側面衝突試験において不正が発覚し、出荷と販売を停止した「ロッキー」。トヨタ自動車版の「ライズ」ともども、最終的には受注取り消しという事態に。 神村聖
そのルーツを守っていないということは、新車の型式認定が取り消しされる可能性がある。まさに重大な違反行為となる。
そのため、ダイハツは即座に出荷を停止したのだ。
今後は、当局による監査が行われ、その結果が出た先に、出荷/生産の再開がある。
そして、そうした監査が数日で終わるわけもなく、当然、生産の停止も長期化が予想されているのだ。
一番の原因は? の問いに
ダイハツの奥平社長は「どれだけ長引く話になるのかわからない。また、どれだけ広がるかもわからない」と言う。
出荷と生産停止が、数か月単位にまで伸びれば、巨額な損失になることは間違いないだろう。

販売停止となった「ハイゼット・カーゴ」。開発が進められている軽商用EVにも暗雲が立ち込める。 ダイハツ
また、進退を問われた奥平社長は、「道筋が立つまでは」と答え、即座の退陣がないことを明らかにしている。
それ以外にも、トヨタ、ダイハツ、スズキなどが進めている、電気自動車(BEV)の新型商用軽バンの前途にも影響があるはずだ。
新型の軽EVバンの市場導入は2023年度中を予定されていたが、それも延期する可能性が大きい。
記者会見の最後に「一番の原因は?」と問われた、ダイハツの奥平社長は「特に問題なのは、心理的な安全性を確保された上でのコミュニケーションだったりすると思います。風通しのよい職場を作って、やりかけた仕事を自分自身で止めることのできるような、そういうような職場に変えていく必要があるかなと思っています。風土づくり。そういったところに一番の経営の問題があったのかなと思っています」と答えたのであった。
